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意匠法保護下のデザイン画像をイメージマッチング技術で効率的に照合、INPITが新システム構築

2015年10月1日(木)川上 潤司(IT Leaders編集部)

独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)は、ある画像が、意匠上で問題ないかを効率的に確認する一助として「画像意匠公報検索支援ツール」を構築、2015年10月1日からサービス提供を始めた。プロジェクトを支援した日立製作所が2015年9月28日に発表した。

 2020年開催の東京オリンピックのロゴマーク。当初案については、既に似通ったデザインがあるとの指摘で物議をかもしたことは記憶に新しい。一般企業にとっても対岸の火事ではなく、デザインの権利を侵すことがないよう商標登録や意匠登録などと照らして細心の注意を払わなければならない。

 もっとも、クリアランス調査は決して楽なものではない。例えば、製品開発競争が激しい電子機器の分野。携帯電話やデジタル家電などを筆頭に、最新の電子機器にはディスプレイが備わり、操作をガイドする画像がふんだんに使われている。これらの画像は「物品と結びついたデザイン」として、意匠法の保護対象となる。自社が使おうとしている画像に問題ないかを確認するには、INPITが提供する特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で意匠公報と照合するといったことが一般的。この際、日本意匠分類などの専門的知識がないと対象案件を効率的に検索・抽出できないといったことが問題視されていた。

 そこでINPITがこのほど構築したのが「画像意匠公報検索支援ツール(Graphic Image Park)」。サイト上の検索画面にデザイン画像データ(自社が使おうとしている画像データなど)を指定すると、意匠公報に掲載された画像を対象にイメージマッチング技術で機械的に照合し、形状や色彩が近いと評価された順序でリストアップというもの。結果はサムネイルで一覧表示されるため、多くの候補画像を見ながら効率的に比較・検討できる。必要とあらば、大元の意匠公報PDFをダウンロードすることも可能だ。

 J-PlatPatのサイト内に専用コーナーを設け、2015年10月1日から運用を開始。インターネットを介して無料で利用できる。

 日立製作所がプロジェクトを支援した。イメージマッチング技術は、エッジ特徴量、色分布特徴量、アスペクト比特徴量など、「形の要素」と「色の要素」を数値化し、入力画像と蓄積画像の数値と比較する方式が基本となっているという。

【プロジェクトの概要】
ユーザー名 独立行政法人 工業所有権情報・研修館
事業内容 工業所有権にかかわる業務を担う独立行政法人
導入システム 画像意匠公報検索支援ツール
導入目的 デザイン上の模倣がないかの照合業務を効率化するため
主な利用製品 日立製作所のイメージマッチング技術を応用


 

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行政 / 著作権 / 工業所有権 / 画像認識

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