[調査・レポート]

3割強の企業で経営管理部門がモバイル活用を主導―IDC Japan調査

2015年10月14日(水)IT Leaders編集部

IDC Japanは2015年10月14日、国内企業における「企業向けモビリティソリューション」の導入/検討状況などの調査を実施し、その結果の概要を発表した。結果から、業務用モバイル機器の導入を主導するのはIT部門よりも本社部門や経営管理部門が中心であること、タブレットの導入率が高い企業で導入効果が高いと自己評価する企業が多いことなどが判明した。

 IDC Japanの調査では、モビリティソリューション、つまり業務用モバイル機器に対する投資を主導する部署は、本社部門や経営管理部門が全体の35.0%で最も多く、IT部門は25.1%にとどまっている。一般に、PCやサーバーなどの導入はIT部門が主導することが多いが、この結果から、業務用モバイル機器に関しては、本社部門や経営/管理部門が中心になって運用ルールを定めながら導入するという実態がうかがえる。

 業務用モバイル機器の導入目的を尋ねた設問項目では、50.1%の企業が「生産性の向上」を挙げている。この点に関しIDCは、生産性を向上させるための施策として、「販売や売上額の増加」や「カスタマーサービスの改善」などの売上拡大志向の目標設定と、コスト削減やペーパーワークの削減といった工数/業務効率改善志向の目標設定という2系統を示し、それぞれに帯する「具体的な施策への落とし込みが必要」(同社)と指摘している。

 ただし調査結果を見るかぎり、業務用モバイル機器の導入にあたり、具体的な目標設定を行っている企業が少ないことが判明している。業務用モバイル機器の導入目的として、売上拡大志向に属する「販売や売上額の増加」の回答率は約23%、「カスタマーサービスの改善」は約12%と低い回答率となっている。同様に、工数/業務効率改善志向に属する目標の項目も低い回答率にとどまっている。

 この結果を受けて、IDC JapanのPC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野浩寿氏は、「モビリティソリューションでは効果測定が十分にされないために、継続的な導入が進みにくい傾向が見られる。効果測定が十分にされていない1つの理由は、導入段階で導入目的を十分に細分化できていないことにあると考えられる」と分析している。

 一方、業務モバイル機器を導入済み企業における、その投資への評価は、約57%の企業が「会社上層部の期待に沿っている」と回答している。また、タブレットとスマートフォンの社内導入率別に導入効果の評価を比較してみたところ、「上層部期待に沿っている」の回答率において、タブレットがスマートフォンを上回っていることがわかった。この結果についてIDCは、「モバイル機器の社内導入率が上昇することで、業務アプリケーションなどへの展開が進み、より大画面のタブレットで導入効果が出やすくなっているためと考えられる」と見ている。

 今回の調査結果はIDCが発行したレポート「2015年 国内モバイル/クライアントコンピューティング市場 モビリティソリューションの導入意欲と導入ポイント」(J15190105)で詳細が報告されている。

図1:モバイル機器導入率別の導入効果(出典:IDC Japan, 2015年10月)
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