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フラッシュがHDDをTCOで逆転? EMCジャパンが方針説明会で明らかに

2016年2月24日(水)田口 潤(IT Leaders編集部)

EMCジャパンは2016年の方針説明会を開催した。注力する製品はフラッシュストレージとコンバージドプラットフォームの製品群。2016年にはHDDベースのストレージに比べフラッシュのTCOが安くなるという。

 「2016年は企業情報システムのストレージがオール・フラッシュ(SSD)に移行する年になる。4年間のTCO(総保有コスト)で見た時、 HDDのストレージよりもフラッシュ・ストレージの方が安くなるからだ」。EMCジャパンの大塚俊彦社長は2月23日に開催した2016年の方針説明会 で、こう語った。ストレージはITインフラ投資の相当部分を占めるだけに、事実とすれば注意が必要だろう。

図1 出典:「Next Generation Flash Architecture & Management」(Wikibon)
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 では大塚社長の発言の根拠はどこにあるのか。それが上図である(http://siliconangle.com/files/2015/04/David_Floyer_All-Flash_Datacenter.pdfの15ページ)。フラッシュとHDDでは記憶容量あたりの単価は、これまで10倍以上の差があった。だがフラッシュは年率30%、HDDは年率15%程度で安くなっている(上記pdfの11ページ)。

  一方でフラッシュはHDDストレージに比べて設置スペースが67%、電源設備コストが69%、冷却コストが71%少なくて済む(EMCのXtremIOの 場合)。IO性能は4倍以上なのでCPUなどのアイドルタイムも減らすことができ、可動部分がないので障害も少ない。単価下落ペースの違いに加えて、こう した利点があるため、4年間のTCOは2016年にフラッシュがHDDを逆転。2020年には7倍ほどフラッシュが優位になるという。

 た だし上記のpdfにはほかに、フラッシュによってレスポンスを向上させることは生産性向上につながる、(高価なフラッシュを使うことは)無駄な重複データ を排除する動機になる、フラッシュの利用はアプリケーション設計を簡素化する、などの説明がある。圧倒的にフラッシュ寄りの視点で作成されている点には注 意が必要かも知れない。

 せっかくなので方針説明会で語った別のトピックにも触れておこう。大塚社長は「2016年はコンバージド・プラッ トフォームにも注力する」と述べた。説明は不要かも知れないが、これはCPU、ストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェアを組み合わせ、出荷前に動作 検証した垂直統合インフラのこと。ユーザーは納入後、ほとんど待たずに稼働させられる。

 EMCは大規模データセンター向けの 「VBLOCK」(ブロック型とラックマウント型)を展開してきており、先週には米国で小規模向けの「VXRAIL」も発表した(図2)。日本ではデータ センター事業者向けの印象が強いタイプの製品だが、「(仮想化などにより)ダウンタイムを96%減らすことができ、ITインフラ運用の工数を41%減らせ る」(大塚社長)。

図2 EMCのコンバージドプラットフォーム製品
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 結果としてTCOを削減できるため、欧米では順調に伸びているという。既存のITインフラを置き換えるとなると初期費用が高くなる 難点はあるが、この種の製品はTCOの観点からITインフラを見直すにはいい素材と言えるだろう。モバイルやIoT、ビッグデータ分析といった案件対応が 急務になる中で、既存システム・インフラの維持運用を低減することは重要だからである。

 

 

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