[市場動向]

ハードのオープン化に向け専用ラックを発売―CTC、村田製作所、NTTデータ先端技術

2016年3月8日(火)IT Leaders編集部

ここ数年の「クラウド化」以前に、IT業界を大きく変革したムーブメントといえば「オープン化」だ。そのオープン化の流れを汲んで、米国などで浸透しつつある新たな潮流が、ハードウェアのオープン化を目指した「オープン・コンピュート・プロジェクト(OCP)」。2016年3月7日、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、村田製作所、NTTデータ先端技術の3社が、このOCPの専用ラックシステムの開発を共同で発表している。国内におけるOCP普及への第一歩が、ようやく踏み出された。

 OCPは、サーバー、ストレージ、スイッチ、ラックなど、ハードウェア、データセンターのファシリティをオープン化するためのプロジェクトだ。CTC、村田製作所、NTTデータ先端技術の3社は、このOCP仕様に準拠した専用ラックシステムを共同で開発する。具体的には、NTTデータ先端技術の集中電源方式の技術に基づき村田製作所が電源ユニットの設計・製造を行い、CTCがユーザーの要望を取り入れた専用ラックシステムの仕様を策定する。

 2011年、大手SNSサービス事業者であるFacebookが開始したのがOCPだ。米国では、GoogleやAmazon Web Serviceなど、巨大データセンターを運用する一部のネット系ガリバー企業が、ハードウェア販売先シェアの多くを占めている。各社はハードベンダーに、独自の仕様に基づいて開発させる傾向にあり、OCPは、Facebookが自社データセンター用に開発させたハードの仕様をオープン化したもの。

 Facebookの仕様をベースに、サーバー、ストレージ、スイッチ、ラックなどのハードウェアの開発がOCP参加企業によって進められている。OCPの目的は、大型化するデータセンターにおける、コスト、消費電力面からの効率的なファシリティの実現にある。OCPの仕様に基づいて設計することで、スケーラブルで省電力、低コストなデータセンターの構築が可能になる。

 ところが、OCP仕様は米国での使用を前提に設計されているため、電源の仕様が「3相」で、国内で標準的に使用されている「単相」と異なること、ラックの高さと奥行きが異なるといった課題があった。また、コスト的にも比較的高くつくことがわかっている。そこで3社は、これらの課題を解決して、OCPの普及を目指すことにした。

 CTCは、OCPの運営団体であるOpen Compute Project Foundationから正式なソリューションプロバイダーとして認定を受けて、OCP認定製品の販売、設計、構築、保守サポートを行ってきた。その経験に基づいて、国内データセンターで必要とされるラックの仕様を策定した。

 村田製作所は、同社が蓄積してきた集中電源技術及びリチウムイオンバッテリー関連技術を活用して、高効率な電源ユニットとリチウムイオンバッテリーを含むパワーシェルフ(ケース)の開発、製造、販売を行う。

 NTTデータ先端技術は、サーバーラック全体の必要電力に応じた電源を集中させて高効率化する集中電源方式や、集中電源の台数を最適制御する技術、バッテリーを利用したIT機器のピーク対応を行う技術を使って、OCP専用ラックに対応したシステムを販売する。

 国内販売されるOCP専用ラックシステムは、集中電源でAC-DC変換を一括で行うことにより電力効率を向上させ、バスパー(絶縁被覆を施していない導体)経由で各サーバー、ストレージ、ネットワーク機器に電源の供給を行う。送電方式は、3相4線方式、3相3線方式や単相方式、HVDC(高電圧直流給電)方式から選択可能で、ラックサイズも国内の標準サイズに変更する。販売価格は、米国で販売されているOCP専用ラックの7割程度の価格帯を検討している。

 パワーシェルフおよび電源装置については、2016年8月にサンプルを提供、2017年3月に製品販売を計画している。バッテリーモジュールは、2017年3月の製品販売を目指すとしている。

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