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TKCが金融機関の取引明細を会計システムに取り込むFinTechサービス

2016年3月31日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

デジタルビジネスの一環として認知されているFinTech。会計から決済、取引まで、様々な分野で活躍しているのがFinTechを標ぼうする多くのベンチャー企業だが、それに負けじとFinTechサービスの提供を開始する大手・中堅の国内ITベンダーも登場している。その1社がTKCだ。TKCは、金融機関の入出力明細やクレジットカードの支払い明細などを、自社の会計システムに取り込むFinTechサービスを開始する。ライバルは、国内FinTech企業の有力企業として知られるFreeeやマネーフォワードになるという。

 TKCは、同社が中堅・中小企業向けに提供している財務会計システム「FX4クラウド」「FX2」「e2まいスター」ユーザーに対して、預金、クレジットカード明細からの取引データ収集の自動化を図るサービスを、2016年6月に各システムの機能強化として無償提供する。

 FX4クラウドは、年商5億円から50億円規模の中堅企業を対象としたクラウド型の財務会計システム、FX2は、年商1億円から5億円規模の中小企業向けシステム、e21まいスターは、年商1億円未満の小規模企業向けシステム。オンプレミスのシステムについても、バックアップサービスや自動更新機能のため、インターネットにつながっており、新サービスを機能強化として提供できる。

 明細の取引データを会計システムに、自動で取り込む機能は、国内FinTechとして名をはせているFreeeやマネーフォワードなど数社がすでに提供している。しかしTKCによると、これらの明細をそのまま会計システムに取り込むと、例えばクレジットカードの支払いの際にはデータの「取り込み漏れ」や「二重取り込み」、銀行間取引の際には「重複計上」といった問題が発生する可能性があるという。

 このような問題が発生すると、適正な会計処理を実施するためには、データを正確に把握した上で仕訳を適正に修正するなど、簿記会計に精通した担当者による処理が必要になるという。

 そこでTKCは、明細データを会計システムに取り込む際に、自動的に差分データのみを取得する、現金預入・引出取引、銀行の口座間振替取引を自動チェックする、カード利用明細書とカード利用時の未払金計上仕訳をチェックする機能をFXシリーズユーザー向けに提供することにした。

 これは、2015年4月に発表した、FinTech企業であるマネーツリーとの共同開発に基づく機能で、これにより、漏れやダブリ、重複計上といった問題を回避できるようになるという。

 取引データを自動取得するためには、金融機関とのユーザー認証が必要となる。このユーザー認証の方法は、個人ID、パスワードや法人ID、ワンタイムパスワードなどの組み合わせが金融機関によってまちまちで、セキュリティレベルが異なるため、それぞれに実証が必要となる。そのため、先行しているサービスはカバーする金融機関を拡大するのに時間を要している。

 TKCは、全国に事業所を持っている利を生かして、他社が遅れている地方の金融機関との実証をこまめに行ってきたという。その結果、2016年3月時点で全国の金融機関の法人口座928、個人口座1300に対応している。これは全口座の約97%にあたるもので、この時点で国内トップのカバー率となっている。サービスがスタートする6月までに、カバー率を100%に近づけるよう、引き続き金融機関との実証実験を続けていくとしている。

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