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ビッグデータのビジネス価値を「人」を起点に考える──可視化から最適アクションまでのプロセスをAIが加速

2016年4月13日(水)

多種多様で膨大なデータをビジネス価値に結び付けるのは、どの企業にとっても重要なテーマ。そこで欠かせないのが、人を中心に据えて価値を究める「ヒューマンセントリック」のアプローチだと富士通は主張する。その思いや、具体的ソリューションへの取り組みはどのようなものなのか。

 データ利活用というと、従来は情報システム部を中心に一部の人々が取り組むテーマだった。しかし、ビッグデータ時代の到来と共に、ビジネスにとってのデータの有用性が広く認知され、業務部門の関心が急速に高まっている。既存の業務データに加えて、ソーシャルメディアなどもからめながら顧客対応の高度化を図る例が続々と出ているのはその証左と言えるだろう。

 さらにIoT(モノのインターネット)が本格化することで可能性が広がる。それに呼応してIT基盤に関わるテクノロジーの進歩。モノ、人、環境…さまざまなデータが、ネットワークとクラウドで統合され、活用できる時代が本格化しようとしているのだ。

 もっとも、データの種類・量が爆発的に増えればビジネスも洗練されるという短絡的な話ではない。IoTを例にとれば、機器に内蔵されたセンサーが発するシグナルは、端的に言えば「0か1か」、あるいは「ごく短い文字列」に過ぎない。そうした小さなデータが膨大にあるだけだ。溢れるデータをどのような切り口でとらえ、そこから何を得ようとするかのといった軸がしっかりしていないと“データの洪水”に溺れかねないのである。

富士通株式会社 イノベーティブソリューション事業本部 本部長 柴田徹氏

 「大事なのは人を中心に位置付けて考えること。人や社会の動きなど様々な事象を精緻にとらえ、それらから人にとっての価値を導き出そうというアプローチが欠かせません。当社が“ヒューマンセントリックIoT”というコンセプトを掲げている理由がそこにあるのです」──こう話すのは、富士通 イノベーティブソリューション事業本部 本部長の柴田徹氏だ。

 デジタル化された地図データがある。GPSでとらえるトラックの位置データがある。急発進や急ブレーキなどドライバーの挙動を把握するセンサーデータがある。それぞれを上手く組み合わせれば、運送会社での「安全運行支援」につなげられるのではないか─そうした考え方が“ヒューマンセントリック”なのである。

 価値を考えるにあたっては、“その人の気持ちやシチュエーション”を考え抜かなければならない。小売業において、自店舗の近くにいる会員顧客にクーポンメールを配信して来店を促すといった取り組みがある。カフェでくつろいでいる時なら効果があるかもしれないし、他のお店で真剣に買い物している時であれば無視されるかもしれない。TPOをわきまえたアクションがより重要性を増してくる。

AIが気配りの範囲を広げる、ヒューマンセントリックAI

 GPS、ビーコン、SNSでのつぶやき、購買履歴、検索ワード…。顧客にとって快適なアクションにつなげられそうなデータはたくさんある。ただし、そうした膨大なデータを組み合わせての分析、しかもリアルタイムに近い形でタイミング良く、となると人手でこなすのは自ずと限界があるだろう。ここで活きてくるのがAIテクノロジーの活用だ。

図1 富士通が目指すAIの方向性
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 多種多様なデータをAIで多面的に分析することで、人間が気付きにくいような俯瞰性や、人間が感知できないような微妙なタイミングを認識することが期待できる。「当社はAIの活用でも“人中心”の考え方を貫いています。つまり、最終判断は人間が下すことも視野に入れるのです。AIは判断材料を提供し、人間の気配りの範囲を広げてくれるというとらえ方です」と柴田氏。それが、“ヒューマンセントリックAI”というコンセプトで、AI技術のブランド「Zinrai(ジンライ)」として、画像処理や自然言語処理、予測、機械学習など、富士通の様々なAI技術を体系化している。

 イノベーションは、何もないところからは生まれない。まずは現状の見える化が必要だ。そのためにIoTでデータを集め状況を認識し、ビッグデータ処理でそれを知識化する。データの種類と量の加速度的増加を受けてAIを活用する。この3つが揃うと、見える化が現実的になる。見えるようになることで思いがけない気づきがあり、イノベーションの芽につながる。それが、結果的にデータドリブン経営を具現化する。

図2 ビジネスイノベーションを支える気づき(Serendipity)
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 AIを組み合わせた富士通のアナリティクスソリューション「FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics(ODMA)」の事例の1つが、予兆監視モデルだ。故障を検知するための手法としては閾値監視があるが、例えば製造ラインはそもそも閾値がはっきりしないうえ、ステップ数も多い。そこで、正常な状態と比較して、異常を予測するというアプローチが活きてくる。

予兆監視モデルの仕組み

  1. 事前に「いつもの状態」を機械学習させる
  2. 稼働させて「いつもと違う状態」(アノマリー)を検出したらアラートを出す
  3. アノマリーと判断した根拠となるパラメータの状態を可視化するので、それを人が見て本当に異常か判断する
  4. 異常でない場合は「これは異常ではない」と学習させる(検知の精度が上がる)

 この仕組みの特徴は、事前に閾値やアラートのルールを設定する必要がなく、状況の変化にも対応することだ。データセンター、製造ライン、プラント設備など、さまざまな場面で利用できる。すでにいくつかの工場やプラントで実証を進め、ある組み立て工場では実際の故障の1週間前に潜在的なデータの変化があり、それをAIがアノマリーとしてキャッチできた、などの成果も現れている。その他、小売・流通業での需要予測による自動発注や、顧客行動予測などの事例もある。

 人間が備える知見と、先進テクノロジーが交差するところにこそ、イノベーションが巻き起こる。それが富士通のメッセージでありソリューションである。


●お問い合わせ先

富士通株式会社

イノベーティブソリューション事業本部 情報統合システム事業部
〒144-8588 東京都大田区新蒲田1-17-25 富士通ソリューションスクエア
TEL:03-6424-6691
E-mail:odma-promotion@cs.jp.fujitsu.com

【製品情報】
FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics
URL:http://www.fujitsu.com /jp/solutions/business-technology/intelligent-data-services/ba/product/operational-data-management-and-analytics/

 

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