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いずれはIoTも視野に─freeeの「成長するクラウドERP」

2016年5月31日(火)杉田 悟(IT Leaders編集部)

クラウド会計ソフトを提供するfreeeは2016年5月30日、中堅企業向けの新料金プランを発表した。「クラウドERP」をコンセプトに、これまでの中小企業向けサービスに、部門別会計対応や電話サポートなどの中堅規模向け機能を新たに加えて提供する。すでに多くの中小/スタートアップ企業に受け入れられている同社のクラウドサービス、機能拡張を図ることでターゲットの規模を徐々に拡大していく考えだ。

 クラウド会計ソフト「freee」の新料金プラン「ビジネスプラン」は、従来の財務会計に販売管理、経費精算、管理会計の機能を加えたもの。大企業向けERPの財務会計・販売監理モジュールに相当する機能を提供する。会計とともに提供している給与計算を合わせて利用することで、コンセプトである「クラウドERP」が実現する。多くのスタートアップ企業が利用する財務会計単体のサービスは「ライトプラン」として提供される。

 ビジネスプランは、部門別会計や電子帳簿保存への対応などの中堅企業向け機能が盛り込まれている。また、厳密で柔軟な権限設定のもと、経費精算申請や承認、請求書の作成がモバイルで行えるため、入力作業の効率化が図れる。あらゆる機能が同一プラットフォームで動いており、業務間のデータ連携は不要だ。

 ビジネスプランがターゲットとするのが、従業員50人から500人の中堅企業。従来の中小/スタートアップから拡張を図る。これまでの競合は、中小企業向けで圧倒的なシェアを持っている「弥生」だった。ビジネスプランでは、弥生よりも一回り規模の大きい企業をターゲットとする「オービックビジネスコンサルタント(OBC)の奉行が競合になる」と佐々木大輔社長は明言している。

 ここは、外資系ベンダーの進出を許さず、「奉行」や「PCA」など複数の国産パッケージベンダーが専有を続けてきた市場だ。freeeによると「テクノロジーによる効率化・統合化が進んでいない市場」であり、クラウドテクノロジーの強みを活かすことで、freeeにも大いにチャンスがあると見ている。

 ビジネスプランの月額料金は3980円+300円/人。vの試算によると、個別パッケージソフトを導入した場合と比べ7割以上のコスト削減が見込まれるという。コスト面でも大きなアドバンテージがある。

 freeeのクラウドERPは、今後も機能拡大を続けていく予定だが、その目線の先にあるのがIoT(Internet of Things:モノのインターネット)だ。IoTをにらんだ「在庫管理」「物流」「生産管理」が開発プランに入っている。サービス投入時期は明確にしていないが、「国内のIoTの普及に合わせて開発を進めていきたい」としている。

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