[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】急成長する“中国のシリコンバレー”中関村、1日平均121億円の融資が発生? ほか

2016年6月2日(木)足立 治男

中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。

急成長する“中国のシリコンバレー”中関村、1日平均121億円の融資が発生?

―中国新聞網(2016年5月14日)

 以前から中国のシリコンバレーと呼ばれる北京市中関村。北京大学や清華大学に隣接し、大手IT企業の本社や中国本部が集結しているエリアである。中関村管理委員会(北京市政府の出先機関)がこのたび発表した統計によると、2016年1月~3月における同エリアの経済規模の成長速度は再び上昇に転じ、特に海外企業のM&Aなどが盛んで融資金額は過去最高を記録した。平均すると1日3.9件の融資が発生し、その金額は7億3000万元(約121億4900万円)に上るという。

 2016年1~3月期において、中関村エリアの352企業が358回のプライベートエクイティとベンチャーキャピタルを獲得しており、投資金額は661億7000万元、前年同期比60.8%の増加となった。中国版グルーポンと称され同エリアで最も潜在力のある企業と言われている美団網(meituan.com)、中国版Uberと呼べる滴滴出行(xiaojukeji.com)においては、それぞれエンジェル投資家より33億米ドルのEランク融資と、10億米ドルのFランク融資を受けている。

 中国企業による海外企業のM&Aは活発で、同期において、中関村エリアの企業による海外企業のM&Aは12件で、前年同期の4件を大幅に上回り、その資金額は106億3000万元に達するという。

 中関村エリアの資本市場も依然として活発であり、2016年3月末日時点における同エリアの上場企業の数は284社で、そのうち、国内市場での上場が182社、海外市場での上場が102社となり、その内訳は香港が36社、米国NASDAQが37社、NYSEが21社、シンガポールが3社、日本が2社、英国AIM市場が1社、カナダが1社、ドイツが1社であった。

 中関村エリアの売上状況も好調であり、同期における一定規模以上の企業による売上高は8326億6000万元で、前年同期比15.4%の増加となり、同期における研究開発費は294億1000万元で、前年同期比17.3%の増加となった。

 特許申請数についても急速に増加しており、同期の中関村エリアで企業がPCT(特許協力条約)へ国際出願した件数は2,284件で、前年同期比351.4%の大幅な増加となった。これは北京市全体の79.3%に相当する。国内での特許出願は1万3,114件で、前年同期比14.6%の増加だ。注目すべきは同期間において1社で特許出願を100件以上行った企業が18社もあり、その筆頭は液晶パネル大手の京東方、PC最大手のレノボ、スマートフォン大手のシャオミなどで、京東方に至っては特許出願数が1,305件と千件を超えている。

 中関村エリアにおける起業状況については、同期に起業した企業数は3,828社で、これは北京市全体の24.1%に相当し、平均すると毎日43社が世に登場している計算になる。

工業・情報化省、ビックデータ戦略を掲げる「第13次5カ年計画」の意見募集を開始

―新華社(2016年5月2日)

 工業・情報化省の情報化・ソフトウェアサービス業司(「司」は日本の局に相当)がビックデータ産業に係る「第13次5カ年計画」(2016-2020年)の制定を進めている。司長の謝少鋒氏は、北京市で開催された「2016ビックデータ産業サミット」の席上で、現在、各方面から意見を募集しており、2016年の下半期に公布できるだろうとの見解を示した。

 謝氏は、工業・情報化省が実施しているビックデータに関する重点作業に言及。中心的製品の研究開発への支援や、インダストリアルビックデータの応用推進、地方におけるビックデータ応用モデルケースの展開、ビックデータ関連標準の設定推進について紹介した。

 工業・情報化省のゼネラルエンジニアである張峰氏は、1つ前の「第12次5カ年計画」(2011-2015年)期間を通じて中国の情報技術産業は急速な成長を遂げており、ビックデータ産業における良好な基礎を築いたと話す。同時に、ビックデータ技術の開発能力や産業としての実力不足や、人材の欠乏、法令の不備などの問題も数多く存在しており、これらは中国が「データ強国」へと変化する過程での制約にもなるとの認識も示した。

 張氏によると、工業・情報化省は次の8方面からビックデータ産業の成長を推進するという。(1)ビックデータ産業に係る「第13次5カ年計画」(2016-2020年)の制定、(2)ビックデータ技術のイノベーションと産業成長の支援、(3)工業ビックデータの成長を全力推進、(4)ビックデータのセキュリティのさらなる強化、(5)地方におけるビックデータ産業の成長支援、(6)ビックデータの標準設定を加速させ、公的認証の拡大、(7)国際提携の強化、(8)複合型の人材チームの構築

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