[インタビュー]

「個々人がBIツールを選ぶ“BYOT”の時代に」米Qlikのディレクターに聞くBIツールの最新事情

2016年6月2日(木)田口 潤(IT Leaders編集部)

データの分析・可視化に利用するBI(Business Intelligence)ツールには様々な製品がある。その中で一般利用者向けの、いわゆる“セルフサービスBI”で気を吐くベンダーの筆頭は米Tableau Softwareだろう。しかし他ベンダーも虎視眈々と巻き返しを図っている。その1社が「QlikView」や「Qlik Sense」を持つ米Qlikだ。調査会社の米ガートナーの資料でもTableauと同等のポジションになった。来日した同社ディレクターにBIツールの最新事情を聞いた。

 データウェアハウスやデータマートを用意する必要がなく、利用者が直接、RDBなどのソースからデータを取得し、自由に切り口を変えて分析できるセルフサービスBIツール。米ガートナーが2016年2月に発表した「Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms」では、リーダーポジションこそ3社だが、合計24社がリストされる(図1の左)。

図1:2016年と2015年の「Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms」図1:2016年と2015年の「Magic Quadrant for Business Intelligence and Analytics Platforms」
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 この分野は競争が激しく動きも速い。実際、2016年のBI分野のMQでは、BeyondCoreや ClearStory Data、 Domo、Platfora、Salesforce、Sisenseが新たにリストアップされた一方で、前年はリストされていたOpenText(Actuate)、 Oracle、 Panorama Software、Prognoz、Salient Management Company、Targitが外されている。

 リーダーポジションにある3社を見ても、2015年はTableauが突出していたが2016年はTableauとQlikが近接。Visionの軸では、米Microsoftがトップに立っている。同社はAzure Machine Learningや Azure HDInsight、Stream Analytics、あるいはCortana Analytics Suiteを擁する。

米Qlikのプロダクトマーケティングディレクター、ジョシュ・グッド氏米Qlikのプロダクトマーケティングディレクター、ジョシュ・グッド氏

 MQの詳細についてはガートナーのレポートを読んでいただくとして、この分野の動きをBIツールベンダー自身はどう見ているのだろうか。来日した米Qlikでプロダクトマーケティングディレクターを務めるジョシュ・グッド氏に聞いた(写真)。言うまでもないが、あくまでもQlikの見方であることを念頭に置いた上でお読みいただきたい。

−−セルフサービス型のBIツールの需要をどう見ていますか。

 ソーシャル、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)、EC(Electronic Commerce:電子商取引)などが、データの爆発的な増加を引き起こしています。同時にインメモリー技術やクラウドなどにより、分析のパワーも飛躍的に拡大していますから、BIツールが大きな伸びを続けることは間違いありません。分析の目的も、これまでの「何が起きたか」という記述的なものから、現在は「なぜ起きたか」という診断的なもの、そして「今後は何が起きるか」という予測的なものへと広がっています。

 それ以上に大きな要因は、ユーザー自身の情報活用に対する姿勢の変化でしょう。以前はIT部門が用意したツールやデータセットの範囲内で定型的な分析をしていました。しかし今は物心がついた時にGoogleやメールを利用できた人が社会人になる時代です。自分でデータを分析するのは自然なことであり、BIツールも変わるしかありません。デジタルネイティブな人々は自分で分析できるし、そうしたいと考えます。

−−BIツールに求められるものが変わったと?

 そうです。IT部門の都合ではなく、利用者重視でBIツールが選ばれるようになりました。それがセルフサービスの意味です。ほかに、ビジュアルBIやアジャイルBIといった表現もありますが、これらはセルフサービスBIの一要素になります。いずれにせよ利用者が自ら分析できること、それが重要です。何しろ全社で同じBIツールを使うのではなく個々人が好みのツールを使う、“BYOT(Bring Your Own Tool:個人ツールのビジネス利用)”さえも、始まっています。この流れは今後、加速するでしょう。

 結果としてデータウェアハウスやデータマート、ETLツール、データキューブといったフルスタックのソリューションを提供するベンダーは苦戦を余儀なくされています。もちろんデータガバナンスやスケーラビリティ、レポートティングなど多くのことを実現しようとすると重装備になり、高くなるのは当然です。しかし利用者から見た自由度が低い。この点が問題です。

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