NECは2016年7月28日、PaaS(Platform as a Service)用OSS(Open Source Software)「OpenShift」や、クラウド基盤のためのOSS「OpenStack」などのOSSを活用したPaaS基盤サービスを発表した。提供開始は11月を予定している。また、クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」の新メニュー「スタンダードプラス」の提供を順次開始する。
発表したPaaS(Platform as a Service)基盤サービスでは、コンテナ技術を活用したアプリケーション開発・実行環境をOSS(Open Source Software)で構築できる「OpenShift」に、運用管理に必要なほかのOSSも加えたPaaS基盤全体の環境を、「NEC Cloud IaaS」のセルフサービスポータルを使って、クラウドサービス上に一括構築できる。
CI(Continuous Integration)およびCD(Continuous Delivery)環境では、アプリケーションの構築管理(ビルド管理)、ソースコード管理、課題管理のためのソフトウェアと、コンテナの制御・実行管理ソフトウェアを連携させることにより、アプリケーション開発のビルドやテスト、配備といった一連のプロセスの自動化を図れる。
周辺システムでは、各種ソフトウェアのID・パスワードを一元管理し個々のソフトウェアでのアカウント管理工数を削減する「ID管理機能」、コンテナ制御ノードの負荷分散を可能にする「ロードバランサー機能」、処理の中断などが起こってもコンテナ制御情報やデータのストレージ保存により業務の継続を支援する「データ永続化機能」により、一連のコンテナ型アプリケーションの開発・実行・データ保全を効率的に行える。これらのPaaS基盤自体の運用管理を行うシステムとして、監視・バックアップ・ログ管理の機能も利用可能だ。
「NEC Cloud IaaS」の新メニュー「スタンダードプラス(STD-Plus)」は、仮想サーバーサービス「スタンダード(STD)」と「ハイアベイラビリティ(HA)」との間に位置付けられるサービスである。OpenStackを活用したクラウド基盤構築・運用製品「NEC Cloud System(OSS構築モデル)」で開発した信頼性に優れた基盤に構築している。ホストやストレージ機器の専有利用も可能だ。
STDと比較して、ゲストOSではMicrosoft Windows Server、CentOSのほか、Ubuntuに代わって「Red Hat Enterprise Linux」を利用可能にした。HAと同等の高性能なスペックのサーバー機器を利用できるため、STDより高負荷な業務への対応が可能だ。
PaaS基盤サービスの提供は2016年11月に開始し、予定価格は「PaaS基盤(OS)基本セット」が月額35万円(税別、以下同様)からになる。
NEC Cloud IaaS スタンダードプラスは、「共有型」はすでに提供を開始しており、価格は仮想サーバー1台当り月額8840円から。「専有型」の提供は2016年11月に開始し、予定価格は月額39万8000円からになる。
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