[調査・レポート]

SI会社は企業のデジタルビジネス化を支援できるのか

―情報サービス産業白書2016出版記念セミナーより―

2016年8月4日(木)杉田 悟(IT Leaders編集部)

情報サービス産業協会(JISA)は2016年7月20日、「情報サービス産業白書2016」の発行を記念したセミナー「ネクストステージへのチャレンジ~デジタルビジネス時代の幕開け」を東京・飯田橋のTJKプラザで開催した。ゲストとして、今注目のFintech企業マネーツリーのポールチャップマン社長が特別講演を行ったほか、JISAで活動している委員会の各委員長からの活動成果報告、デジタルビジネスをテーマにしたパネルディスカッションが行われた。

 今回のセミナーでは、JISA傘下の、SIを生業とする情報サービス会社が、デジタルジビネス時代にどう対応していくべきか、どのようにユーザーを支えていくことができるかを検討してきた各委員会の取り組みが紹介された。

マネーツリーのポール・チャップマン氏

 各委員会からの発表に先立って行われた特別講演に登壇したポール・チャップマン氏は、豪州出身ながら日本でFintech企業のマネーツリーを起業した人物。日本での生活が長く、講演は流ちょうな日本語で行われた。

 同社が提供する「マネーツリー」はApple Storeのベストアプリに2年連続で選ばれたことのある人気アプリで、、オンラインバンキングやポイントカード、クレジットカード、電子マネーなどから情報を収集して、収支状況を表示するサービスだ。

 アプリは一部を除いて無料で提供されており、その収益モデルに関心が集まった。チャップマン氏によると、様々な口座やカードの情報を一元化して、一覧表示だけでなくファイナンスサービスやERPにつなぐことのできる「MT LINK」という仕組みを銀行や会計システムベンダーなどのサービサーに提供するというのが、マネーツリーの収益モデルだという。

 日本企業が苦手とする「プラットフォームビジネス」を成功させたチャップマン氏の講演は、多くの参加者に刺激を与えたようだ。

 次の委員会活動成果報告では、JISAの委員会活動の中でも特にデジタルビジネスとの関係が深い「未来を展望する」委員会、デジタルビジネス人材委員会、そして本セミナーの要である「情報サービス産業白書2016」を手掛けた白書委員会からの成果報告が行われた。

左から磯部悦男氏、福永哲弥氏、重木昭信氏、ポール・チャップマン氏

 最後に行われたのが、白書委員会の磯部悦男委員長、「未来を展望する」委員会の福永哲弥委員長、デジタルビジネス人材委員会の重木昭信委員長にチャップマン氏を加えた4名によるパネルディスカッション。司会は「未来展望する」委員会の藤田利江委員。

 パネルでは、各委員会での成果をベースに各人の考えるデジタルビジネスに取り組むにあたっての、可能性の有無と情報サービス会社が抱える課題などが語られた。チャップマン氏からは、「UX(ユーザーエクスペリエンス)」に対する意識の低さなど、氏が日本の情報サービス会社とビジネスを行う中で気付いた問題点が指摘され、情報サービス会社がデジタルビジネスに取組む難しさが浮き彫りとなった。

 なお、今回のセミナーの主役である「情報サービス産業白書2016」では、デジタルビジネスに向けた情報サービス会社の変革の方向性として、2つの新たなビジネススタイルを提案している。それが、ユーザー企業のデジタルビジネス戦略をビジネスモデルの検討段階から、あるいは技術面でサポートする「デジタルビジネスサポーター」とユーザー企業のパートーナーとしてデジタルビジネス戦略を共に推進する「デジタルビジネスパートナー」だ。白書はインプレスより発行されている。

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