[市場動向]

経産省が"第4次産業革命"に舵を切る
IT利用促進と産業高度化に分割・再編

2016年9月5日(月)佃 均(IT産業アナリスト)

経済産業省における情報関連施策が、第4次産業革命に向けて大きく舵を切ろうとしている。これまで情報サービス産業とユーザー企業おける利活用情報サービスの両方を所管してきた情報処理振興課を、情報通信機器課と併せて再編。「情報技術利用促進課」と「情報産業課」(いずれも仮称)を新設する。施策の一部でしかなかった利用に関して専門の部署を設けることになる。ユーザー企業に直結するIT投資に関わる施策や「攻めのIT銘柄」の運営は、情報技術利用促進課が担う見通しだ。

 再編される情報処理振興課(情振課)は、1960年代末から70年代初にかけて当時の通産省・電子政策課長として「脱・工業化社会」を提唱した平松守彦氏(元大分県知事)が初代課長を務めた。平松氏は米IBMに対抗できる国産コンピュータメーカーを育成するため、富士通・日立、日本電気・東芝、三菱電機・沖電気工業という3グループへの再編を主導したことで知られる、情報処理振興の立役者とされる人物。この8月21日に死去した。ほぼ同時に情振課の消滅が決まったのは運命的だ。

 情振課が所管する主業務のうち、ソフトウェア産業は情報産業課に、IT利活用とIT人材育成は情報技術利用促進課に、それぞれ引き継がれる(情報政策課、情報経済課などと共同と言うケースもあり得る)。当面の施策に変更はないと見られるものの、ソフトウェア産業を中心にして展開してきたIT人材育成やソフトウェア/システムの品質・安心・安全、IT受発注における契約のあり方などは、IT利活用に軸足を移すはずだ。業界団体の所管も改定されるが、それを機に団体そのものの改組改称や統廃合が連鎖する可能性も捨てきれない。

今回の経産省の機構改革は今年6月の組織令改定に伴う製造産業局の組織再編(3課新設)に次ぐもの。8月に大臣官房総務課が内示した機構改革関連資料によると、

  1. 商務情報政策局(以下、情政局)にある情報処理振興課と情報通信機器課を再編して「情報技術利用促進課」「情報産業課」(いずれも仮称)を新設。
  2. 「サービス政策課」と「ヘルスケア産業課」を情政局から分離し、「商務サービスグループ」を新設。商務サービス審議官を置く。
  3. 商務流通保安グループの流通政策課と商取引・消費経済政策課を統合して「消費・流通政策課」とし、新設の「商務サービスグループ」に編入。
  4. 商務流通保安グループを「産業保安グループ」に改称し、技術総括・保安審議官を置く。

——の4点が骨子。遅くとも来年度予算が執行される来年6月末までに実施されると見られる。

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