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[市場動向]

バックアップは“保存”から“使う”へ、米VeritasがSDSで挑むデータマネジメント

2016年10月6日(木)志度 昌宏(IT Leaders編集部)

データ分析で得られた洞察(インサイト)に基づく意思決定でビジネスを成長させようと、各種の取り組みを強化している企業は少なくない。ITベンダー各社も様々な領域からデータ活用に向けたメッセージを発信している。そうした中、バックアップツールベンダー大手の米Veritas Technologiesが「Information Management」を掲げ、SDS(Software Defined Storage)によるデータマネジメントの重要性を訴え始めた。バックアップ大手の同社がなぜ、データマネジメントなのか。2016年9月に開かれた「Veritas Vision 2016」での講演や幹部へのインタビューなどから、バックアップを含めたデータ管理のこれからを探ってみる。

写真1:米VeritasがWall Street Journal誌に折り込んだ広告写真1:米VeritasがWall Street Journal誌に折り込んだ広告
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 「ハードウェアのためのDellには、特別なスペースがあります(There is a special place in Dell reserved for hardware.)」−−。分かりにくい訳で恐縮だが、これは米Veritas Technologiesが2016年9月13日(米国時間)付けの米Wall Street Journal誌に折り込んだ一面広告のキャッチコピーである(写真1)。その意味は、コピーに続くメッセージで解説されている。それを要約すれば次のようになる。

 「EMCとDellはハードウェアで売上拡大を計画しているが、データ活用のための仕組みは、ソフトウェア定義型であり、テクノロジーを選ばないものでなければなりません。これまで同様のインフラストラクチャーに囚われる必要はないのです。貴社のデータが持つ価値をVeritasが解き放ちます」

 ターゲットに挙げるEMCとDellは、この9月7日(米国時間)に買収統合が完了し新生Dell Technologiesとして始動したところ(関連記事『売上高7兆円超のDell Technologiesが始動、旧EMCがソフト/サービス事業を担う』)。EMCが持つデータレイク構築用の各種ソフトウェアをDellのハードウェア調達力と組み合わせ、ハイパーコンバージド(動作確認済みの組み合わせ製品)製品による市場拡大を狙うとみられている。

 つまり、Veritasのメッセージは、EMCが持つストレージ市場へソフトウェア定義型ストレージ(SDS:Software Defined Storage)で真っ向勝負を挑むという“宣戦布告”でもある。

Symantecからの分社後初の製品開発の方針を発信

 だがVeritasと聞いて、多くの読者が思い浮かべるのはバックアップツールの「Veritas NetBackup」だろう。現時点でも同社売り上げの多くはバックアップ関連から得ている。そのVeritasが、なぜSDSなのかと疑問に思う向きもあるはずだ。

 バックアップなどに強みを持つ旧VERITASは2004年、セキュリティベンダーの米Symantecに買収統合された。Symantecはセキュリティ部門とInformation Management(IM)部門の2本柱で事業拡大を図るが、2014年に両部門の分割を決定し、2015年8月にはIM部門を投資家に80億ドルで売却した。

 そのIM部門の売却が完了し、2016年1月に始動したのが今のVeritas Technologiesである。冒頭の折り込み広告を掲出したのは、自社イベント「Veritas Vision 2016」の基調講演当日のこと。Vision 2016は、新生Veritasとして同社の“これから”を社外に初めて発信するためのイベントである。Dell/EMCへの宣戦布告に来場者は沸いた。

 基調講演に登壇したCEOのBill Coleman(ビル・コールマン)氏は、「Veritasは、データマネジメントプラットフォームを担っていく」と宣言。そのデータマネジメントプラットフォームが備えるべき要件として、冒頭の広告にも記載した「ソフトウェア定義型であること」「テクノロジーを問わないこと」を強調した(写真2)。

写真2:新生Veritas TechnologiesのCEOを勤めるBill Coleman(ビル・コールマン)氏写真2:新生Veritas TechnologiesのCEOを勤めるBill Coleman(ビル・コールマン)氏
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 Veritasがデータマネジメントに邁進する背景には、ビッグデータ活用やデータ駆動型経営などと呼ばれるようにデータの分析から得られる洞察(インサイト)への世界的な期待の高まりと、クラウド環境の広がりがある。Coleman氏は、「情報がすべて、情報が至るところにある。データは今、企業にとって重要な経営資産であり、喫緊の課題である」と指摘する。「情報がすべて(Information is Everywhere)」は、Vision 2016のテーマでもある。

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