[中国電脳事情]

【中国電脳事情セレクション】中国通販大手の京東が物流システム変革で無人配送車を導入へ、ほか

2016年10月12日(水)足立 治男

中国メディア各社の報道から、IT関連の最新動向を紹介する「中国電脳事情」。1カ月間に報じられた主要なニュースから重要なものをピックアップしてお伝えする。

中国通販大手の京東が物流システム変革で無人配送車を導入へ

―新浪サイエンス(2016年9月1日)

 中国ネット通販大手の京東集団(JD.com)は、独自に開発を進めてきた無人配送車がすでに試験走行の段階に入ったと発表した。2016年10月から試験運用となる見込みであり、いずれも中国初の快挙という。

 京東でスマート物流の研究開発担当部門責任者である肖軍氏は、「現在、中国の都市物流システムは極端に人海戦術に依存している。特に配送センターからエンドユーザーへの配達までのプロセスは、多数の配送業務担当者に過酷な労働を強いている」と指摘。そのうえで、「当社の無人配送車は都市環境下でオフィスビルやコンビニエンスストアなどのオーダーが集中する場所に絞って大量配送を行う。そのため、配送効率を大幅に向上させることが可能となる」とアピールした。

 同社の紹介によると、今回発表された無人配送車は比較的小さめのボディサイズ(長さ1m×幅0.8m×高さ0.6m)で、合計6つの異なる大きさの独立型荷物収納スペースがある。既定の路線を自動走行する機能のほか、ルート選択、障害物回避、車線保持、前方車両を追尾するなどの機能が搭載されている。

 京東の無人配送車は、配送センターで荷物を積載後、目的地までの最短または渋滞回避のルートを自動検索し、走行中に歩行者やペット、他の車両などの障害物を発見した際には自動的に回避や迂回などの措置をとり、交差点では信号を識別できるという。目的地に到着すると、京東製スマートフォンのアプリやショートメールなどを通じてユーザーに到着を通知し、ユーザーは同車に受け取り用のパスワードを入力することで、荷物収納スペースのカバーが開き、荷物を受け取るという仕組みだ。

 今後の展望について肖氏は、「今回、試験走行する無人配送車はわが社が研究開発している無人配送車の氷山の一角にすぎない。試験走行の初期段階では、臨時的任務として無人配送車を投入するが、その後は同車を常態化させることで、2017年には大規模の商業運用を実現させる予定である」とコメントした。

「約4500円で不利なユーザーコメントを削除」―EC業界のグレーゾーンビジネス

―中国青年報(2016年9月1日)

 今のEC事業者はどんな手段を用いて、顧客の注目を集めるのか。やはり、多くは自らのショップの“評価”によるところが大きい。そうした中、1回につき288元(約4500円)で不利なコメントを削除してくれる技術者グループが存在するという。

 河北省石家庄市の馬海東氏は、中国最大のオンラインショップサイトであるアリババ系列「タオバオ」で、主に包装用品を取り扱うショップを開設して3年になるが、2015年9月に顧客からきわめてひどいコメントがサイト上に掲載された。「この店は詐欺師だ! みんなこの店から絶対に買わないようにしよう!」などというコメントで、納品方法に関するトラブルがきっかけだったという。

 馬氏はタオバオの管理部門に対応を依頼したが、同社から帰ってきた回答が「自ら顧客と協議してコメントを削除してもらうこと」で、顧客と協議したが物別れに終わってしまい、やむをえずそのほかの解決方法をネット上で探していた。すると、前出の「288元でショップの評価を傷つけずに6日以内にコメントを技術的に削除する」というWebサイトを発見したという。

 中国青年報の記者が同グループに直接問い合わせたところ、応対した担当者は「コメントの削除は一定の条件下でのみ行うことができるので、すべての消費者のコメントを削除できるわけではない」とした。そのうえで、「いったんコメントを削除したらその消費者の購入履歴を永久的に削除するので、その消費者は二度と同じショップ上でコメントを発信できなくなる」と説明。この担当者は再三に渡って「ショップの信用評価は絶対に傷つかない」と保証していた。

 タオバオサイトは、コメント削除の方法について「技術的な削除」としており、業界関係者の話では、どうやら各大手オンラインサイト内に協力者が潜んでいるようだ。このため、従来は一部の違法業者が行っていた、購入者へ電話等で連絡し、脅迫などの違法手段でコメントを取り下げさせるような手法は一切用いないという。

 湖南大学法学院教師で法学博士の蒋海松氏は、「このような行為はEC事業の正常な取引を妨害するので、消費者だけでなく、EC事業者にとっても非常に不利となる」と説明。そのうえで、「現在はインターネット上やQQ、ウェイシンなどの各SNS上でこのような違法業者が氾濫しており、中国のEC業界でグレーな産業チェーンを構成するに至っている。それが当局による取り締まりを一層困難にしている」と述べ、業界に警鐘を鳴らした。

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