[事例ニュース]

中外製薬工業、医薬品の製造・品質データの高度活用に向け新システム導入

2016年12月8日(木)IT Leaders編集部

中外製薬工業は、バイオ医薬品の製造における品質や収量を向上させることを主な目的に、データを統合的に管理・分析するシステムを構築し、着々と成果を上げている。プロジェクトを支援した新日鉄住金ソリューションズが2016年12月8日に公表した。

 製薬業界では、低分子化合物を用いた従来の医薬品から、抗体医薬品などのバイオ医薬品へと市場ニーズがシフトしている。グローバル競争が激化しているのは他の業界と同様で、開発・製造というコア領域へリソースを集中させると共に、いかに業務の効率化・高度化を図るかが大きなテーマだ。

 一方では、FDA(Food and Drug Administration、アメリカ食品医薬品局)のガイドラインをはじめ、厳格な規制があるのもこの業界の特色。法令遵守の徹底、製剤化の研究や製造プロセスの効率化、コストの最適化…。こうした幾つもの課題に対峙していくには、医薬品の製造データを統計的に解析、活用することが欠かせなくなっている。

 とりわけバイオ医薬品においては、化学合成との特性差や収量の変動が大きいという事情があり、高いレベルで品質を維持し収量向上を追求するには、製造や品質にかかわるデータを体系的に収集・解析し、製造プロセスを継続的に改善することがカギを握る。一般的な製造業におけるPLM(製品ライフサイクル管理)の考え方を適用するアプローチといってもいいだろう。

 独自の創薬技術を強みとし研究開発に力を注ぐ中外製薬は、上記の取り組みを進めるべく、グループで製造を担う中外製薬工業と共に、2013年から具体的な検討を始めた。まずは、宇都宮工場に新システムを導入し、データ収集の自動化と、より多様な製造・品質データの解析によるプロセス改善に着手するというのが骨子だ。

 解析機能や導入実績といった観点で複数のソリューションを比較し、最終的にはダッソー・システムズ・バイオビア社のパッケージ「BIOVIA Discoverant」を採択した。同製品をベースとした「製造品質モニタリング・レポートシステム」の導入を2016年4月に完遂。目下、製造プロセス改善基盤として活用し、社内ユーザーを拡大している。

 具体的な効果として、独自のデータマッピング技術によって目的とするデータを従来比10分の1の時間で収集・統合できるようになった結果、問題発生時の原因究明や報告書作成が大幅に効率化できたという。ここでは、製造ラインの温度や圧力といったセンサーから連続的に取得するデータも分析対象に加えられるようになったことが大きく寄与している。

 プロジェクトは新日鉄住金ソリューションズが支援した。同社は、2015年3月にダッソー・システムズ・バイオビアとDiscoverantの販売代理店契約を締結し、販売パートナーとなっている。また、Discoverantは、元々は米アクセルリス社が開発・販売していた製品で、2014年にダッソー・システムズが買収した経緯がある。

【プロジェクトの概要】
ユーザー名 中外製薬工業
事業内容 製薬(バイオ医薬品の製造)
導入システム 製造品質モニタリング・レポートシステム
導入目的 製造プロセスの継続的改善
主な利用製品 BIOVIA Discoverant(ダッソー・システムズ・バイオビア)、システム導入は新日鉄住金ソリューションズが支援
関連キーワード

製薬 / 製造 / 化学 / PLM / ダッソー・システムズ / 新日鉄住金ソリューションズ

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