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JAL、整備業務の改革に向けモバイルシステムを導入へ、IBMとの共同開発で導入コストも削減

2016年12月15日(木)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

日本航空(JAL)は、航空機の発着間に実施する整備業務の改革に向けモバイルシステムを2017年4月から導入する。限られた時間内に確実な整備ができるように、最新情報を現場に届けるほか、同時に作業に当たる整備士間の意思疎通も改善する。米IBMとの共同開発とし、自社ニーズが標準機能として実現されている業界標準アプリを目指すことで、カスタマイズ費用の発生なども抑える。実際のシステムは、機体整備を担うJALエンジニアリングが開発・運用し作業現場で利用する。JALと日本IBMが2016年12月14日に発表した。

 機体整備を担当するJALエンジニアリングが2017年4月から実運用を始めるのは、iPhone/iPadを端末にするモバイルシステム。航空機が到着し次に出発するまでに実施する整備作業を対象に、羽田空港や成田空港などで働く整備士、約1500人が利用する。iPhone/iPadは事務所で一括管理し、実際に整備に携わる整備士が持ち出す形を採る。

 iPhone/iPad上で確認できる情報は、整備士がその日に担当する整備業務のスケジュールと、整備する機体のフライトスケジュールや過去の整備記録、同時に作業するチームのメンバーなど(図1)。予定や到着ゲートの変更などはアラート機能で通知する。チームメンバーとは、リストから相手を選ぶだけでビデオ通話のFaceTimeを使って会話ができるほか、整備に取りかかったことや整備が終了したことも、iPhone/iPadからワンタッチで通知できる。

図1:JALが導入するモバイルアプリケーションの画面例図1:JALが導入するモバイルアプリケーションの画面例
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 モバイルアプリで参照している各種の情報は、JALエンジニアリングが複数のシステムで個別に管理しているもの。具体的には、整備基幹システムを含め、フライト情報や、工具管理システム、作業計画/故障情報サーバー、作業記録サーバーなどだ。新システムでは、これら既存システムとモバイルアプリケーション用のバックエンドサーバーを専用アダプターで接続。整備士が必要とするデータをバックエンドサーバーに取り出して、iPhone/iPadのアプリケーションに提供する(図2)。整備結果など一部情報は逆に、バックエンドサーバーから各システムにデータを投入する。

図2:新モバイルシステムのバックエンドサーバーに各システムからデータを取り出している(出所:JAL・IBM)図2:新モバイルシステムのバックエンドサーバーに各システムからデータを取り出している(出所:JAL・IBM)
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