[調査・レポート]

FinTechが金融機関に与えるインパクトは―IDCジャパンが国内金融IT市場動向を調査

2017年2月2日(木)IT Leaders編集部

FinTechが金融業界に与えるインパクトは―IDCジャパンは2017年2月1日、国内金融IT市場の2015年から2020年の市場予測を発表した。国内金融IT市場は2020年まで、年平均成長率(CAGR)1.1%の微増に終わるが、FinTech関連は2020年までのCAGRが68.7%と突出した伸びを示すと予測している。

 IDCジャパンは、国内金融機関のIT支出規模は2015年の2兆円超から年平均成長率(CAGR)1.1%の微増を続けると予測している。マイナス金利や地域経済の停滞、海外展開の加速など国内投資のマイナス要因があるものの、メガバンクに続き生命保険会社や損害保険会社の大型案件が控えていることや東京オリンピック・パラリンピック向けインバウンド対応、企業がITを戦略的に活用していく傾向が強まりIT支出を若干押し上げると見ている。

 そのほか、ゆうちょ銀行などの店舗端末や2020年1月に迎えるウインドウズ7の延長サポート終了といった買い替え需要が2019年までの支出を押し上げるが、オリンピックイヤーの2020年までにはほとんどの投資が終わり、2020年以降成長が鈍化するとしている。

 ソリューションでは、AI(人工知能)やロボティクスの活用が進むほか、生保では健康と商品を結び付けるなどIoT(Internet of Things)への注目も高まっているようだ。分散台帳技術であるブロックチェーンも多くの金融機関が検討、実証実験段階に入っている。

 成長が鈍化している金融機関のIT支出の中にあって、マーケットが小さいながらも爆発的な伸びが予測されているのがFinTech関連市場だ。

 IDCジャパンでは、FinTechの定義として個人資産管理、金融情報/投資支援、テレマティックス保険等、会計/経営支援、ソーシャルトレンディング/クラウドファンディング、決済、暗号通貨、ブロックチェーンの8分野に当てはまるものとしている。

 成長率は、2015年から2020年のCAGRが68.7%ときわめて高い。内訳は銀行が63.9%、保険が70.6、証券/その他が85.1%。市場規模は、2020年には350億円に迫る勢いだ。

国内金融機関「FinTech」関連IT支出額予測データ:業態別(出所:IDCジャパン)
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 また、IDCジャパンではこの分野のスタートアップベンチャーを「FinTechスタートアップ企業」と呼んでいる。今のところ彼らが既存の金融機関と競合するケースは少なく、連携する傾向が強い。今後も競合するのではなく、より一層連携の範囲が拡大すると予測している。ただし、例外としてリテール向け決済、資産運用コンサルティング分野では競合し、スタートアップ企業の脅威が増す可能性があるという。

 ブロックチェーンについては、これまでIT活用が進んでいなかった業務、サービス分野での活用が進むと見ているが、金融機関での活用には障害も多く一部に懐疑的な見方も出てきているようだ。ITスペンディング リサーチマネージャーの市村仁氏は「いつ、どこまで普及するかは未知数。完全撤退の可能性も否定できない」としている。

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