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[インタビュー]

“コミュニケーション疲れ”を起こさないチャットツール―12万社が使う理由は徹底したビジネス視点

「メールじゃ仕事になりません」山本敏行社長自らが語る、ChatWorkの目指す世界

2017年2月14日(火)池辺 紗也子(IT Leaders編集部)

ワークスタイル変革や生産性向上に取り組む企業の間で、社内コミュニケーションを加速させるツールとして「ビジネスチャット」が注目を集めている。そのトップランナーが、2011年にリリースされ、今や世界で12万社以上が利用する「チャットワーク(ChatWork)」だ。このツールの特徴、多くの企業に支持される理由は何か。米シリコンバレーで起業して以来、世界市場に挑み続けるChatWork代表取締役の山本敏行氏に直接尋ねてみた。

10年以上チャットを使って仕事をしていたノウハウを詰め込んで開発

――ビジネスチャットツール「チャットワーク」が誕生するまでの経緯を教えてください。

山本氏写真1):僕は高校生の頃から、パソコン通信を利用してインターネットビジネスを行っていました。大学生の時に恋人を追いかけて渡米し、2000年のドットコムバブルに乗ってロサンゼルスで起業したのが、ChatWorkの前身となるEC studioです。当時は、中小企業に対して生産性を上げるためのITソフトやサービスを販売していました。僕自身は米国に居ながら、Webサイトで日本にいるように見せてビジネスをやっていたため、電話は一切受けず、顧客とのやり取りはすべてメール、社内や取引先とのやり取りはすべてチャットで行っていました。すでに当時から、「チャットの効率の良さを理解できない会社とは仕事はできません。そんな会社は、生産性を下げに来る会社です」というスタンスの尖った会社でした(笑)。

写真1:ChatWork 代表取締役CEO 山本敏行氏

 当時は、業務にSkypeチャットを使っており、チャットの命名規則やグループチャットの構成などを社内で徹底的にルール化していました。しかし、そもそもSkype自体がビジネス用に作られていないので、どうしても使いづらい部分があった。そこで、ビジネスに必要な仕様を組み込んだチャットを作ろうと2010年から開発に着手し、2011年にリリースしたのが「チャットワーク」です。開発を始めた当時、ビジネスチャットツールを提供している会社は世界でも類がなかった。まだLINEもありませんでした。

――リリースした時点で、世界を見渡してもほぼライバルがいなかったと。

山本氏:そうです。さらに言えば、僕たちはその時点ですでに、10年以上もチャットを使って仕事をしてきた歴史がありました。全社員にチャットを利用したワークスタイルが染み着いており、チャットで仕事するにはどうあるべきか、何が必要かを知りつくしている状態でチャットワークを開発したわけです。コンシューマー向けだったサービスでも後からビジネス向けがリリースされることはよくありますが、その場合、どうしても発想がコンシューマー寄りになると思います。チャットワークはスタート地点が違います。

――業務のコミュニケーションにおいて、チャットはメールに比べてはるかに便利だという強い思いがあってのスタートだったわけですね。

山本氏:チャットでなければ仕事になりませんよ。メールだと、迷惑メールが大量に届いて処理に時間を取られるし、誤送信の危険はあるし、誤送信をしても消すことができません。CCが入り乱れてメールが混乱し、大事な連絡を見逃すこともある。コミュニケーションにおけるロスが大きすぎます。

12万社以上が利用、ビジネスチャット市場の約7割を占める

――今、チャットワークはどの程度普及しているのでしょう。

山本氏:2017年1月末時点で、世界で12万4000社以上に導入いただいています。その9割が日本、次いで米国、ベトナム、台湾、フィリピンの順に多いです。主にアジアを中心に伸びています。富士キメラ総研が2015年に実施した市場調査によると、日本のビジネスチャットツール市場シェアの70%をチャットワークが占めているそうです。

――ビジネスモデルはどのようなものですか?

山本氏:フリーミアムモデルを採用しています。最初は無料でお使いいただき、チャットルームを15個以上作るところから有料となります。有料ユーザーの比率は公開していませんが、マネタイズはうまくいっています。

――米国法人を設立されていますね。米国でのチャットワークの展開状況はいかがですか?

山本氏:まず、欧米でビジネスチャットと言えば、基本的に社内間のやり取りを行うためのツールです。裁判社会ですから、チャットによって迂闊な発言を簡単に社外に送れてしまうのは危険だという考え方がある。そのため、欧米系のツールには社外と繋がるという発想がありません。一方で、チャットワークは社内だけでなく取引先などの社外とも繋がることを考えて開発されていますので、そこが大きな特色であり、苦戦する理由でもあります。

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