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[実ビジネスに向けたブロックチェーンの基礎知識]

海外にみるブロックチェーン技術の活用事例【第4回】

2017年2月28日(火)小田 玄紀(ビットポイントジャパン代表取締役社長)

これまで、ブロックチェーンの仕組みや考え方について考察してきました。今回は海外では実際に、どのようにブロックチェーン技術を活用しようとしているかを紹介していきます。

行政情報としてのブロックチェーン

 国家としてブロックチェーン技術を先駆的に導入したのがエストニアです。国民の医療データの記録・管理にブロックチェーン技術を使っています。エストニアは無料のIP電話「Skype」の発祥の国であり、先駆的にテクノロジーを導入する姿勢で有名です。「e-Estonia」というデジタル政府の実現を進めています(図2)。「e-resident」という制度では、エストニア国籍でない人でも本人の意思でバーチャルな市民として登録できます。

図2:e-Estoniaのホームページの例図2:e-Estoniaのホームページの例
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ダイヤモンドの所有権証明としてのブロックチェーン

 英Everledgerは、ダイヤモンドの所有権や権利移転履歴の証明にブロックチェーン技術を活用しています(動画2)。シリアル番号やカラット数といった「4C」のデータなどを記録・保存しています。ダイヤモンドは紛争地域で採掘され、かつマネーロンダリングに使われるケースがあるなど全世界的に取引の透明性確保が求められています。採掘から研磨、保管、販売、所有権移転まで取引状況がオープンになることで、より健全なダイヤモンド市場の形成が期待されます。

動画2:EverledgerのCEOによる紹介ビデオ

管理システムの多くはブロックチェーンでリプレースできる

 以上に紹介したのはブロックチェーンの活用事例のごく一部です。ブロックチェーンが持つ「情報改ざんが困難なこと」「分散管理によって管理コストが安いこと」などの特徴を鑑みれば、現在使われている管理システムの多くはブロックチェーン技術にリプレースされる可能性はあります。

 日本政府はFinTech市場で2020年までに10兆円を創出するという目標を掲げています。日本でもFinTechへの参入を考える企業が増えています。数年後には日本がブロックチェーン技術を活用した最新事例の発信源になっているかもしれません。そうなるためにどうすれば良いのかを次回に考察していきます。

著者プロフィール

小田 玄紀(おだ・げんき)
ビットポイントジャパン代表取締役社長。1980年9月6日生まれ。東京大学法学部卒業。大学在籍時にマーケティング会社を起業。後に売却し、売却資金を元にマッキンゼー出身者と共に投資活動を始める。「頑張る人が報われる」をコンセプトに多数のベンチャー企業、社会起業家の育成に従事する。2011年東日本大震災以降に事業再生に軸足を移し、企業や組織の再生を行う。2016年3月に仮想通貨交換所であるBitpoint(ビットポイント)を創業。仮想通貨が適切に普及するようにセミナー活動や著作活動も行い、2016年10月には『1時間でわかるBitcoin入門~1円から送る・使う・投資する~』(masterpeace)を発刊。

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