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HPE、重複排除をハードで処理するハイパーコンバージドインフラ「SimpliVity」を出荷

2017年6月15日(木)日川 佳三(IT Leaders編集部)

日本ヒューレット・パッカードは2017年6月15日、分散ストレージソフトとサーバー仮想化ソフトを組み合わせたスケールアウト型の仮想化基盤であるハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)製品の新機種「HPE SimpliVity 380」を発表、同日販売を開始した。同社のHCI製品としては初めて、重複排除/データ圧縮機能を搭載した。リソース効率とバックアップ速度が優れるとしている。

 「HPE SimpliVity 380」(写真1)の最大の特徴は、ストレージデータの重複排除/データ圧縮を、FPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載したアクセラレータボードを使ってハードウエア処理していることである(写真2)。「重複排除/圧縮を常時有効にしても性能の劣化がない」(日本ヒューレット・パッカードでデータセンター・ハイブリッドクラウド事業統括DCHC製品統括本部サーバー製品本部本部長を務める中井大士氏)とアピールする。

写真1 HPE SimpliVity 380の外観
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写真2 FPGA搭載アクセラレータボードの外観
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日本ヒューレット・パッカードでデータセンター・ハイブリッドクラウド事業統括DCHC製品統括本部サーバー製品本部本部長を務める中井大士氏

 重複排除においてデータの重複を判定する粒度は、8Kバイトと細かい。「一般的なHCI製品は256Kバイトから8Mバイト程度と荒い粒度で重複を判定しているので、リソース削減効率は平均30%程度になる。一方でHPE SimpliVity 380は60%から70%を削減できる」(中井氏)という。

 データバックアップ機能も備える(図1)。VMware vCenterの画面からバックアップ操作ができる。重複排除によって、専用の重複排除ストレージと同様に、仮想サーバーイメージなどのコピーやバックアップ/リストアを高速に終わらせられる。製品発表会では、仮想マシンイメージのバックアップ/リストアが1秒以内で終わるデモンストレーションを見せた。

図1:他社製のHCI製品との比較。重複排除/圧縮による性能劣化がないことや、バックアップ/DR機能を備えること、2ノードからスモールスタートできることをアピールする(出典:日本ヒューレット・パッカード)
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 ハードウエア処理による重複排除/圧縮を除いた製品の強みとして、一般的な3ノード構成からではなく、中小企業向けに2ノードからスモールスタートできるようにした。2ノード構成の場合はクロスケーブルで直結できるので、スイッチすら要らない。最大構成は32ノードである。また、ストレージ領域が余っているのにCPU/メモリー領域が足りない場合は、VMware vSphereを搭載した汎用のPCサーバーをコンピュートノードとしてクラスタに追加できる。

 HPE SimpliVity 380は、同社のHCI製品の現行ラインアップとしては4機種めに当たる。「HC250」(VMwareベース)、「HC250」(Hyper-Vベース)、「HC380」(VMwareベース)の3機種に次いで加わった機種であり、同社としては初めて重複排除/圧縮機能を搭載した。PCサーバー部は「ProLiant DL380」を使っており、サーバー仮想化ソフトはVMware vSphereである。

 HPE SimpliVity 380は、米Hewlett-Packard Enterprise(HPE)が2017年4月に買収した米SimpliVityの技術を流用している。米SimpliVityの位置付けについて同社は、「米Nutanixと並んでHCI製品のリーダーとして評価されている。海外でのユーザーによる評価は高い」とアピール。「米Nutanixは歴史が長く日本で売れているが、できればHPE SimpliVity 380が日本でシェア1位をとりたい」と展望する。

 HPE SimpliVity 380のハードウエアの参考価格(税別)は、「小規模向けオールフラッシュモデル」(1.92TバイトSSD×5基)が677万7000円、「中規模向けオールフラッシュモデル」(1.92TバイトSSD×9基)が769万7000円、「大規模向けオールフラッシュモデル」(1.92TバイトSSD×12基)が837万7000円。

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HPE / HCI / 重複排除 / VMware / Hyper-V / vSphere

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