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NFVが胎動し始めた通信業界に見る「スケールするインフラ」に必要な条件

ネットワーク仮想化にも力を注ぐRed Hatの優位性

2017年6月20日(火)

Software-DefinedのアプローチでIT基盤の柔軟性や機動力を究めていく──。このコンセプトはネットワークにも広がり、通信業界では今まさにプロプライエタリからオープンへという地殻変動が起こりつつある。“OSS×エンタープライズ”にコミットするRed Hatの独自の取り組みは、NFV(Network Function Virtualization)」の領域でも大きく注目され始めた。

イノベーションの加速に欠かせない“オープン性”

 このようにNFVの採用が進みつつある通信業界だが、イェートン氏は「通信業界から求められるNFVの最も重要な条件」として“オープン性”を掲げている。ここで言うオープン性とは仕様が公開されているオープンシステム/オープンソースをベースにしている技術であることを意味している。「通信業界の企業の83%が自社のネットワークに採用する技術がオープンシステムであることを望んでおり、95%の企業はNFVソリューションを構成する技術がオープンソースであることを評価する傾向にある」とイェートン氏は説明する。

 通信業界がNFVのオープン性にこだわる最大の理由はコストだ。ネットワークの機能を仮想化し、ソフトウェアモジュールとして汎用のハードに実装すれば、相対的に高価な専用ハードに要していたコストの大幅な削減が可能になる。また、ネットワーク機器の台数がどれほど増えようとも、オープンソースであればプロプライエタリ製品につきもののライセンス料に悩まされることもない。さらに、オープンで標準的な技術であれば実装のスピードも速くなり、それにともなってイノベーションのスピードも加速されることになる。NEP固有の技術にロックインされるケースも激減するだろう。

 そしてイェートン氏は「オープンソースをビジネスのコアにしているRed Hatであれば、通信業界を含む多くのインダストリのニーズに応えられるNFV、つまりは低コストでありながら柔軟にスケールするインフラを提供することができる」と強調している。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)やRed Hat OpenShift Container Platform、Red Hat JBoss Enterprise Application Platform(JBoss EAP)
など数多くのオープンソースベースのソリューションを持つRed Hatだが、NFVに関しても「Red Hatだからこそエンタープライズグレードのオープンソースを実現できるラインナップが揃っている」(イェートン氏)と強調する。

Red Hatだからこそエンタープライズのニーズに応えられる

 ここでイェートン氏は、NFVにおけるRed Hatの優位性として、以下の3点を挙げる。

  • コミュニティ
  • プロダクト
  • パートナー

 まずコミュニティに関して。Red HatはLinuxカーネルやKVM、OpenStack、Open DaylightなどNFVに関連するいくつものオープンソースプロジェクトで多大な貢献を続けてきており、従業員にも数多くのコミッタが在籍する。オープンソースの支援企業としてそれぞれのコミュニティの活動に対して最大限のリスペクトを払っており、自社で開発したパッチなどは必ずコミュニティに還元する“Upstream First”の精神でプロジェクトに臨んでいる。Red Hatがオープンソース企業として唯一成功した存在と言われるゆえんでもある。

図2 オープンソースコミュニティへの貢献
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 プロダクトに関しては「単体でNFVというソリューションは提供せず、代わりにRHELやKVM、OpenStackなどをベースにした環境の上でネットワーク機能の仮想化を実現する」(イェートン氏)という戦略を採っている。また、Red HatだけではなくNFV関連でアライアンスを提携する数多くのパートナーと共にエコシステムを構築しており、「顧客に多くの選択肢を提供することが可能となっている」(イェートン氏)ことも強みの一つだ。これらのポイントが組み合わさることで、最先端の技術を取り込みながらも、企業からのミッションクリティカルなニーズに応えるNFV環境を提供できる。

図3 NFVの領域におけるRed Hatの製品戦略
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 例えば6カ月ごとに新しいバージョンがリリースされるOpenStackなどはその典型だ。ここ最近でVerizonやAT&Tなど大手通信企業によるOpenStack採用が進んでいるが、OpenStackはそのアップデートの速さから一般のユーザー企業が自力で対応し続けることは困難なソリューションでもある。さらにその上で動くNFV環境を構築するとなると、相当な技術力と知見を兼ね備えたエキスパートの力が必要だ。その点、コミュニティとの関係が強固で、エキスパートが数多く在籍するRed Hatであれば、最新のイノベーションを既存のシステムに反映させながら最適のNFV環境を構築することが可能になる。

 イェートン氏は「通信業界のNFVにとって最も重要なのはアプリケーションの可用性。ダウンタイムが許されるのは1年に5分程度で、99.999%の可用性を実現しなければならない。このニーズに応えるため、NFVのベースとなるOpenStackの可用性を高める努力をコミュニティやパートナーと共に行っている。また単にOpenStackだけでなく、その下のレイヤーであるハイパーバイザーやカーネル部分の可用性も連携して高めていくことも重要だ。NFVを支えるあらゆる技術に幅広くアプローチできる企業はRed Hatだけ」とあらためてその優位性を強調している。

 今後、日本の通信業界においてもネットワーク仮想化の取り組みは急速に加速していくと見られており、すでにいくつかのキャリアが従来のレガシーからNFVへの移行を進めている。どこまでもスケールするネットワークインフラを作り上げるイネーブラとして、オープンソースを基盤としたNFVが活躍する市場は広大である。


●お問い合わせ先

レッドハット株式会社
https://www.redhat.com/ja/global/japan

セールスオペレーションセンター(SOC)
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