[調査・レポート]

デジタルビジネス従事者と既存のIT技術者、どちらが幸せを感じている?(1)

情報サービス産業協会「デジタルビジネスへの挑戦 情報サービス産業白書 2017」

2017年6月19日(月)杉田 悟(IT Leaders編集部)

情報サービス産業協会(JISA)は2017年6月19日、「デジタルビジネスへの挑戦 情報サービス産業白書2017」を発行した。すでに10年以上続くIT業界では老舗の白書だが、近年はデジタルビジネスへのフォーカスを強めている。メインコンテンツのひとつであるアンケート調査では、デジタルビジネスに取り組んでいる技術者と従来型ITビジネスに取り組んでいる技術者の双方に、現在の仕事に対する取組み姿勢や考え方を聞いている。そこには、想像通りの温度差があった。

 アンケート調査は2016年11月にインターネット形式で行われたもので、回答者の構成はデジタルビジネスの従事者が333名、従来型のIT技術者が329名。内訳はデジタルビジネス従事者のうち情報サービス事業者が166名、ユーザー企業が167名。従来型IT技術者は情報サービス事業者が163名、ユーザー企業が166名となっている。

 まず、仕事への満足感(図1)。数字は「満足している」を+1.0pnt、「どちらかと言えば満足している」を+0.5pnt、「どちらかと言えば満足していない」を-0.5pnt、「満足していない」を-1.0pntとして合計し、回答数で除算したもの。つまり満足しているほどポイントが高くなり、満足していないほどマイナスが大きくなる。

(図1)仕事への満足感(資料:「情報サービス産業白書2017」より「IT技術者に対するアンケート調査」2016年11月)
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 図1を見ると、いずれの質問に対してもデジタルビジネス従事者はプラス回答となっている。最先端の仕事をやっている意識からか「仕事の内容」(+0.257)、「職場の雰囲気」(+0.233)が特に高い。ただし、キャリアの項目では、「社内での今後のキャリアに対する見通し」(+0.041)や「給与・報酬」(+0.041)などがマイナスではなかったものの、あまり高いとはいえないプラスだった。現状や将来に対する漠然とした不満・不安が見えてくる。

 一方の従来型IT技術者は、「仕事の内容」(+0.081)や「職場環境」の各項目に関してはいずれもプラス回答で、現状には大きな不満がないことが読み取れる。しかし、「仕事の充実感・やりがい」が-0.008とぎりぎりマイナスだったほか、「キャリア」の項目に関しては軒並みマイナス回答で、評価や給与といった現実的な問題から将来に関することまで、従来型IT技術者が抱える不安・不満が見えてくる。

 次に「仕事への考え方・将来性」(図2)。ここでもデジタルビジネス従事者と従来型IT技術者の間で顕著な差が見られた。「よくあてはまる」を+1.0pnt、「どちらかと言えばあてはまる」を+0.5pnt、「どちらかと言えばあてはまらない」を-0.5pnt、「まったくあてはまらない」を-1.0pntとして合計し、回答数で除算した。

(図2)仕事への考え方・将来性(資料:「情報サービス産業白書2017」より「IT技術者に対するアンケート調査」2016年11月)
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 図2を見ると、やはりデジタルビジネス従事者がポジティブ、従来型IT技術者がネガティブな傾向にあるようだ。デジタルビジネス従事者は「この仕事が好きである」(+0.380)、「この仕事をしていることを誇りに思う」(+0.330)と、現状の仕事に対する精神的な満足度が高いようだ。「仕事の価値」の項目でもポジティブな回答が目立ち、先端の仕事についているプライドがうかがい知れる。にも関わらず、「この仕事は人気がある」に関しては-0.011となり、本人の中では、自分では満足しているも、外からはそうは思われていないという矛盾が生じているように見て取れる。

 従来型IT技術者については、「この仕事には夢がある」(-0.220)、「この仕事は最先端である」(-0.146)、更には「見通し」の項目では軒並みマイナス回答とネガティブな考えを持っていることがわかる。ただし、「この仕事には努力や勉強が必要である」(+0.327)、「この仕事は専門性が高い」(+0.210)と、自分の仕事に一定のプライドを持っていることもわかる。

 JISA発行の「デジタルビジネスへの挑戦 情報サービス産業白書2017」にはIT Leadersも編集に加わっており、情報システム部門にも参考となる技術情報、調査結果を網羅している。

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