[インタビュー]

ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)、共創施設「DIAGONAL RUN TOKYO」開設で地域とテクノロジーをマッチング

2017年8月14日(月)志度 昌宏(DIGITAL X編集長)

福岡銀行や熊本銀行、親和銀行などを擁する、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)が2017年4月、オープンイノベーション(共創)の拠点となる「DIAGONAL RUN TOKYO(ダイアゴナルラン東京)」を東京・八重洲に開設した。グループ設立10周年の節目を迎え、FFGは共創で何を目指すのか。営業戦略部の主任調査役で、DIAGONAL RUN TOKYO ゼネラルマネージャーも務める岩田 祐一郎 氏に聞いた(聞き手は志度 昌宏=DIGITAL X=デジタルクロス編集長)

 企業や個人が働く場所を提供するほか、イベントスペースを用意したことで、種々のイベントが毎日、開催されてもいる。当行が主催する場合のテーマは「地方、ベンチャー/スタートアップ、多様な働き方」の3つを挙げている。Fintechやファイナンスはもちろん、ハッカソンやスタートアップ企業の人材採用、県人会的なものなどもある。現段階では、交流の接点を作ると同時に、この場所に関心を持ってもらえれば良い。

 いまもほぼ毎日、なんらかのイベントが予定されている。DIAGONALの入居者を対象にしたクローズドなイベントもあるが、ほとんどがイベントは誰でも参加できるオープンなものだ。DIAGONALのFacebookページなどで告知している。

−−都内にはオープンイノベーションのための施設やコワーキングスペースが増えている。DIAGONAL RUN TOKYOの特色は。

 福岡を中心とした地方とつながっていることだ。福岡市などの地方自治体や福岡などに拠点を置く企業の多くは当行の顧客であり、強いつながりがある。2016年4月には、FFGベンチャービジネスパートナーズというベンチャーキャピタル(VC)を100%子会社として新設しており、東京のベンチャー企業と地元企業をマッチングする機能も強化している。実際、西日本鉄道や九州旅客鉄道(JR九州)などの地元企業のほか、各自治体からの視察が増えている。自治体とはUターンやIターンといった地方への人材誘致策でも連携を図っている。

パートナーと協業し福岡にこだわらずマッチングを支援

 ただし、マッチングの対象は九州やFFGの顧客企業に限っているわけではない。もちろんFFGと東京のベンチャー企業などが持つテクノロジーのマッチングや、FFGの顧客企業とのマッチングから新しい何かが生まれるのが理想ではある。だが、DIAGONALで名古屋地区の銀行と他地域のベンチャー企業が出会い、そこから新しい何かが生まれたとすれば、それをヒントにFFGや福岡の顧客に還元できれば良い。今すぐには儲からないかもしれないが、それぐらい目線は“高く・広く”置いている。

 DIAGONAL RUN TOKYOでは、主旨に賛同してくれる企業や団体を「パートナー」と呼んでいる。北海道銀行や広島銀行などの地銀のほか、西日本新聞やアクセンチュア、福岡に拠点を構えるデザイン会社のジーエー・タップ、地方移住を支援する福岡移住計画などだ。

 これらパートナーとは既に協業が始まっている。例えば西日本新聞はDIAGONALを新規事業や情報発信の東京拠点に位置付け、地方創生や地域活性化を促進している。福岡移住計画はDIAGONALの運営をサポートしながら、DIAGONALで移住者誘致セミナーを開催したりしている。今後もパートナーを増やしたい。

−−九州地区ではハッカソン「X-Tech Innovation(クロステックイノベーション)」も実施している。

 X-Tech Innovationは、ベンチャー企業やスタートアップ企業の力を借りて、新しいアイデアを実ビジネスに変える速度を加速するのが狙いだ。iBankプロジェクトと並行して、2015年に第1回を開催したが、2016年度は北海道銀行と共同で開催するなど、規模を拡大し内容も進化させている。

 成果も出始めている。例えば2016年度に「九州地区最優秀賞」を受賞したギフティが提供する「Welcome Stamp」の機能をiBankが2016年7月にリリースしたスマートフォン用アプリケーション「Wallet+」に搭載した。Welcome Stampは、紙やカードで発行していたクーポンを電子化して流通させるための仕組みだ。

 Wallet+では、口座残高や出し入れの明細を確認できるほか「目的預金機能」を提供している。旅行がしたいとか車を買いたいとった目的を設定し、どれだけ近づいているかなどが確認できる。iBANKからは貯金の目的に応じた関連情報を提供したり、目的に関連する企業と提携しクーポンを提供したりしているが、ここにWelcome Stampの技術を採り入れた。

 また2016年度北海道地区最優秀賞を受賞したランドスキップの施設内向け風景配信サービス「LandSkip」は、ここDIAGONALに導入している。今後は、FFGベンチャービジネスパートナーズによる資金面での支援を含め、ベンチャー企業やスタートアップ企業のテクノロジーや仕組みをより積極的に活用していきたい。

写真3:DIAGONAL RUN TOKYOの運営をけん引する岩田 祐一郎 ゼネラルマネージャー写真3:DIAGONAL RUN TOKYOの運営をけん引する岩田 祐一郎 ゼネラルマネージャー
拡大画像表示
関連記事

ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)、共創施設「DIAGONAL RUN TOKYO」開設で地域とテクノロジーをマッチング [ 2/2 ] 福岡銀行や熊本銀行、親和銀行などを擁する、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)が2017年4月、オープンイノベーション(共創)の拠点となる「DIAGONAL RUN TOKYO(ダイアゴナルラン東京)」を東京・八重洲に開設した。グループ設立10周年の節目を迎え、FFGは共創で何を目指すのか。営業戦略部の主任調査役で、DIAGONAL RUN TOKYO ゼネラルマネージャーも務める岩田 祐一郎 氏に聞いた(聞き手は志度 昌宏=DIGITAL X=デジタルクロス編集長)

PAGE TOP