[イベントレポート]

二者択一ではなく両方のメリットをクラウドで ― 「VMware Cloud on AWS」が提供開始

2017年8月30日(水)五味 明子(ITジャーナリスト)

VMwareは8月29日(米国時間)、米ラスベガスで開催中の年次プライベートカンファレンス「VMworld 2017」において、AWSのハードウェアリソース上で稼働するVMware環境のオンデマンドサービス「VMware Cloud on AWS」の最初の提供を開始した。当初はAWSの米国西部(オレゴン)リージョンのみでの提供となるが、2018年中には他のリージョンでもサービスが開始される予定だ。

 VMware Cloud on AWSは昨年10月、VMwareとAWSが共同で発表した提携にもとづくサービスで、VMwareのユーザーはvSphereやvSAN、NSX、vCenterといったSDDC(Software-Defined Data Center)製品をAWSのベアメタルインフラ上で展開することが可能となる。ユーザーはvSphereベースのプライベートクラウド/パブリッククラウド/ハイブリッドクラウドを利用しながら、必要に応じてAWS上でVMware環境と同じアプリケーションを稼働させることができるほか、AWSが提供するクラウドサービスにもダイレクトにアクセスできる。なお、VMware Cloud on AWSはVMwareユーザに提供されるサービスであり、販売/オペレーション/サポートは一貫してVMwareが行う。

(写真1)VMware Cloud on AWSはVMwareユーザに向けて提供されるサービス。vSphere上のアプリケーションをAWSリソース上で稼働させることができるほか、AWSのクラウドサービスもネイティブに利用することが可能になる
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提供価格は以下のとおり。

・オンデマンド(1時間単位) … 1ホストあたり8.3681ドル(月額で約6109ドル)
・1年契約(1 year reserved) … 1ホストあたり5万1987ドル(月額で約4332ドル)
・3年契約(3 year reserved) … 1ホストあたり10万9336ドル(月額で約3038ドル)

(写真2)VMware Cloud on AWSの提供開始を発表するパット・ゲルシンガー(左)CEOとAWSのアンディ・ジャシーCEO

 VMworld 2017の初日キーノートにはAWSのアンディ・ジャシーCEOが登壇し、VMwareのパット・ゲルシンガーCEOとともにVMware Cloud on AWSを紹介し、「世界中のエンタープライズのほとんどのデータセンターはVMware製品で仮想化されている。VMware Cloud on AWSの提供により、これらのVMwareユーザは使い慣れたアプリケーションを、使い慣れたツールでもって、AWSリソースの上で稼働させることができるようになった。新規にハードウェアを購入する必要も、アプリケーションを書き換える必要もない。オンプレミスとクラウドの間でシームレスかつハイブリッドにワークロードを稼働させることも可能だ」と語り、「バイナリチョイス(binary choice: 二者択一)」ではなく、VMwareとAWSの両方のメリットを享受できるサービスであることを強調している。

 クラウドの巨人のAWSと、エンタープライズで圧倒的なインストールベースを誇るVMwareのパートナーシップは昨年のアナウンスからつねに注目されてきた。約1年の期間をかけ、両者で技術的に練り上げただけでなく、セキュリティやマイグレーション、DevOpsなどの分野で数多くのパートナーを獲得し、エコシステムを確立した状態でローンチしたVMware Cloud on AWSが、AWSの中でももっとも先進的な取り組みを行うことで知られるオレゴンリージョンから最初に提供されるという点も注目に値する。

(写真3)VMware Cloud on AWSのパートナー各社。ローンチの時点でエコシステムを確立しているのはAWSならでは
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 「我々はまだ、ともに作り上げているサービスの、ほんの触りの部分しか提供できていない」 ― ゲルシンガーCEOはVMware Cloud on AWSの提供開始は最初のマイルストーンに過ぎないとしているが、オレゴンでの提供を通じてさらにサービスを洗練させた後、真のハイブリッドクラウドサービスとして世界中のVMwareユーザに届けられることになりそうだ。

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