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TISと電気通信大学がCDN向け分散キャッシュ技術を開発、従来比較で通信量を60%削減

2017年9月26日(火)日川 佳三(IT Leaders編集部)

TISと電気通信大学は2017年9月26日、4K/8K動画やVRコンテンツなどの大容量コンテンツの普及によって増大するインターネット通信量を削減するために「大容量コンテンツ配信を担う軽量分散協調キャッシュ技術」を共同研究によって開発したと発表した。インターネット通信量を最大で約85%削減できるとしている。

 今回開発した軽量分散協調キャッシュ技術は、キャッシュサーバー同士がキャッシュデータを重複して持たないようにキャッシュデータを分散配置するという手法によって、オリジナルサーバーからのデータ転送量などを減らすというもの。人気のないコンテンツをキャッシュサーバー間で共有して実効キャッシュ容量を拡大するとともに、人気の高いコンテンツはユーザーに近いキャッシュサーバーに配置して円滑に配信する。

図1●新技術「大容量コンテンツ配信を担う軽量分散協調キャッシュ技術」と、既存のCDN技術の違い(出所:TIS)図1●新技術「大容量コンテンツ配信を担う軽量分散協調キャッシュ技術」と、既存のCDN技術の違い(出所:TIS)
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 この技術を活用した広域ネットワークにおけるシミュレーション評価では、キャッシュサーバーを配置しない場合と比較して約85%、従来技術と比較して約60%の通信量の削減を確認したという。特に、分散協調しないキャッシュ制御を行う従来技術と比較すると、高コストな配信サーバー通信量が約88%、低コストな内部ネットワーク通信量も約57%削減した。新技術は、外部ネットワークとの通信量に加えて内部ネットワークの混雑も緩和するなど、両面での高い効果が期待できるとしている。

 開発の背景として同社は、2020年の東京五輪に向けて、4K/8K動画配信、VRコンテンツ、ゲーム配信など、様々な大容量データが配信されることが見込まれていることを挙げる。「この一方で、現状のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)基盤ではキャッシュ効率が悪く、大容量データ配信の普及への課題となっていた」という。

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