世間でかまびすしく取り沙汰されている働き方改革。本質を外した議論も少なくないが、業務生産性を究めるために個人レベルでできることは、そこかしこにある。今回は筆者自身が実践していることを交えて、日常の仕事の進め方について考えてみたい。
働き方改革が一種のブームになっている。経済誌や専門誌が特集記事を掲載し、人事コンサルティング会社やIT企業によるセミナーがあちこちで開催され、ネット上には多様な記事が溢れる。過熱気味の反応や間違った認識には辟易する面もあるが、本質的な働き方の改革は実践していかねばならない。日本人のライフスタイルや働くことへの意識が大きく変化してきていることに加えて、全く改善を見ない労働生産性の問題、少子高齢化と生産労働人口の急速な減少は日本の将来を危惧させて余りある。
働き方改革では、労働者の事情や希望に応じた柔軟な就業形態の提供、能力や成果に応じた適正な賃金の確保、労働生産性の向上といったことが求められる。実現には経営者の意識改革、競争力のある製品やサービスの創出、労働の質向上など簡単ではないことが多い。
一方で無駄な会議や過剰な報告書類の作成など付加価値のないワークを排除するといった、比較的簡単にできることもある。個人としては時間あたりの労働密度を高めることである。それにはスキマ時間の活用が役に立つ。以下、この点について筆者自身のやり方を書いてみよう。
マルチタスクの是非
1日の中でスキマ時間は意外に多い。むしろ集中してワークしている時間が意外に短く、特に外に出るとその傾向は顕著になる。鉄道や空路で移動する時間、乗り物の待ち時間、打ち合わせや訪問先の待ち時間、訪問が予定より早く済んだ空き時間…。ボーっと過ごせばそれまでだが、こんなスキマ時間にやれることはたくさんあるのだ。
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