[技術解説]

第4回 エンタープライズ2.0がもたらす本質的変化(2)

2007年7月18日(水)

ウェブ2.0の起爆剤となったのはGoogleの検索サービスやAmazonの書籍販売サービスであった。Google以前にもInfoseekや Yahoo等の検索サービスはあったし、Amazon以前にも書籍販売サービスはあった。それでは、Google・Amazon以前と以後で何が大きく違うのか。それは、情報の量から質への転換である。

2-3 情報の「量」から「質」へ

Google以前、Google以後

ウェブ2.0の起爆剤となったのはGoogleの検索サービスやAmazonの書籍販売サービスであった。Google以前にもInfoseekやYahoo等の検索サービスはあったし、Amazon以前にも書籍販売サービスはあった。それでは、Google・Amazon以前と以後で何が大きく違うのか。それは、情報の量から質への転換である。

インターネットが普及した当初は、ウェブサイトが増えていくこと自体が利用者にとっての価値の増加につながっていた。そうした時代の検索サービスは、Yahooのように手作業サイトをリンクしたり、Infoseekのように単純なキーワード検索で十分ニーズをみたしていた。ところが、ウェブサイトの数が爆発的に増えるにつれ、大量のサイトの中から本当にほしいサイトだけを絞り込むことが求められるようになった。これを実現したのがGoogleである。

Googleは「玉石混交」の中から「玉」を選り分ける技術を持つ。Googleがなぜ「玉」を探し出せるかというと「ページランク」と呼ばれる技術にその秘密がある。これは「他のサイトからリンクを張られているサイトは優れているサイト」という考えに基づき、サイトの選り好みをする技術だ。いわば、大量の検索結果から不要と思われるものはばっさり切り捨て、利用者に見せる量を減らしているところに価値があるのである。この「ページランク」の技術によりGoogleはウェブの世界を情報の量から質へと転換させ、世界中の誰もが「大海から一滴」にたどり着くことができるようになった。

一方、Amazonもこの情報の量から質への転換により、ウェブ2.0の起爆剤となったサービスである。Amazonの書籍販売サービスがなぜこれほどまでに使いやすいのか。それは利用者の活動履歴に基づき膨大な書籍の中からその人が本当にほしい本だけをレコメンデーションするソーシャルフィルタリングという技術を持っているからである。例えば、AさんはIT業界に関する本をよく買っているとする。Aさんと同じような購買パターンを持った人(がAmazonの顧客にはたくさんいる。Aさんと同じ購買パターンを持った人と、Aさんは同じ興味を持っていると推測される。そこでAさんがAmazonを訪れると、Aさんと同じ購買パターンを持った人が買っている本でAさんが買っていない本を買ったらどうですかと推薦してくる。こうした利用者の活動履歴に基づいて膨大な情報の中からその人が必要な情報だけを推薦する技術をソーシャルフィルタリングと呼ぶ。Amazonはこのソーシャルフィルタリングにより、書籍サービスの世界を量から質へと転換させ、ウェブ2.0の世界を実現した。

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