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エンタープライズ2.0最新動向〜変革する企業内情報システム

2007年12月14日(金)

本稿では、エンタープライス2.0に関する導入意向調査の調査結果において特徴的だったものについて紹介し、分析を行う。

調査概要

エンタープライス2.0に関する導入意向調査の調査概要は次のとおり。

調査対象
ウェブサイトを開設している企業におけるウェブサイトの企画・制作・運用・管理を担当している方
調査地域
日本全国
調査手法
ウェブを使ったインタラクティブ調査
サンプリング
ウェブ調査会社のパネルから条件抽出によりメール配信し、アンケートサイトに誘導
有効回答数
2,055サンプル
調査期間
2007年4月18日(水)〜2007年5月2日(木)

なお、本調査によって得られた結果は単純集計したものではなく、総務省が発表している「平成16年事業所・企業統計調査」から得られる業種、雇用者規模区分別企業数にインターネット利用率、ウェブサイト開設率を使用して、比重調整を行っているため、それほど実態からかけ離れた結果にはなっていないと考えている。本稿では、これらの調査結果で特徴的な部分について考察していく。

ウェブ2.0の認知状況

エンタープライズ2.0は、世の中で行われているインターネットのカルチャーや利用方法であるウェブ2.0が企業のシステムの中に導入されるものなので、まずその基になるウェブ2.0がどの程度認知されているのかについて質問した結果が次の図となる。この図は横軸がパーセント、縦軸が企業の規模となっており、一番上が1人〜10人未満で、下にいくほど企業規模が大きくなり、一番下が5,000人以上の規模になっている。


ウェブ2.0の認知状況(規模別)

このグラフを見ると、概ね企業規模が大きくなるほど認知度が高くなる傾向にあることがわかる。次に、業種別の認知度についての調査結果をグラフにまとめたのが次の図となる。

ウェブ2.0の認知状況(業種別)

このグラフを見ると、通信業・情報サービス業の認知度が最も高い結果となっている。こうした業種は、「プロ」と呼べる業種であるため、ある意味当然の結果と言えるだろう。それよりも、小売業や卸売業よりも金融・保険業やその他の製造業での認知度が高く、第二グループとなっているのは興味深い結果と言えるだろう。また、放送・出版・印刷といったメディア系の業種が第三グループを形成している。これは、エンタープライズ2.0としての動きというよりも、ウェブ2.0の動きが従来型のメディア活動に影響を与えていることに起因となって関心が高まっているものと考えられる。

ウェブ2.0にあてはまると思われる技術・利用方法

次に、ウェブ2.0にあてはまると思われる技術や利用方法についての調査結果を表にまとめたのが次の図となる。縦軸が項目、横軸が企業規模となっている。縦軸の項目には、いわゆるウェブ2.0的なコンテンツであるCGM(ユーザーが容易に作れるコンテンツ)やSNSに加えて、あえてE-mailのような従来からあるテクノロジーも混ぜた形で調査を行った。

ウェブ2.0にあてはまると思われる技術・利用方法

この表を見ると、SNS、CGM、Wikiのようなコラボレーションツール、SaaSのようなネットワークを利用したアプリケーションがウェブ2.0として認識されている割合が高い結果となっていることがわかる。さらに、オープンなAPI、つまりウェブサービスAPIで、意外にウェブ2.0としての認識が高いことがわかった。一方、ウェブ2.0の本質を物語っているようでもあり、意外な結果でもあったのが、マッシュアップのウェブ2.0としての認識の低さで、ウェブサービスAPIの半分程度の7.3%しかなかった。

会社の収益に与える影響の認識

続いて、ウェブ2.0が会社の収益にどの程度の影響をもたらすことができるのかについての調査結果をまとめたのが次のグラフである。この図は横軸がパーセント、縦軸が企業の規模となっている。

会社の収益に与える影響の認識

このグラフもウェブ2.0の認知状況と同様に、企業規模が大きくなるほど、会社の収益に影響を与えると見なしている割合が多い結果となっている。また、一番左にある、会社の収益にとって脅威であると見なしている人が数パーセントというわずかながらおり、従業員やユーザーなどが参加して製品やアイデアを作っていく過程で、仕事がなくなってしまうと考えている人がいる可能性も考えられる。ただし、この仮説については、聞き取り調査などの追加調査を行わないとはっきりしたことは断言できない。

ウェブ2.0の取り組み状況

さらに、ウェブ2.0の取り組み状況として、ウェブ2.0をどこまで利用しているか、もしくは利用計画中かについての調査結果をまとめたのが次のグラフである。

ウェブ2.0の取り組み状況

このグラフからわかるとおり、ブログやWiki以外は利用計画中か、現時点では利用の予定がないという方が大多数となっており、ブログやWikiの利用度の高さが際だつ結果となった。

ウェブ2.0で効果があると思われる項目

続いて、ウェブ2.0で効果があると思われる項目についての調査結果をグラフにまとめたのが次の図である。横軸が事業規模で、縦軸が項目となっている。

ウェブ2.0で効果があると思われる項目

このグラフを見ると、「顧客との交流」が59.4%で最も多く、次いで「従業員間や従業員と会社間の交流」が続く結果となった。さらに、「自社と顧客との結びつきの強化」も多く、従来とは異なり、消費者といっしょの物作りしていくことが容易になるということへの期待も感じさせる結果となった。

Web2.0の対応についてのIT部門の強み/弱み

最後に、Web2.0の対応についてのIT部門の強み/弱みについて紹介する。この調査結果を表にまとめたのが次の2つの図である。

Web2.0の対応についてのIT部門の強み

Web2.0の対応についてのIT部門の弱み

この調査結果で興味深いのは、大企業になるほど「ITスタッフの技術や能力」をIT部門の強みとしてとらえている一方、「経営陣の理解」が得られないことを弱みとして見なしている割合も大企業になるほど増える傾向にあることである。これは、ウェブ2.0の技術は最先端の技術であるため、経営陣の理解が得ることがまだ難しいという状況が推測される。こうした状況をいかに克服していくかが、エンタープライズ2.0が普及していくうえで、今後の課題になるといえるだろう。

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