[市場動向]

オープンソースベースの仮想化ソフトの新版が相次ぐ

シトリックスとオラクルの新版に見る特徴

2008年12月17日(水)IT Leaders編集部

オープンソースソフトウェアの仮想化機能「Xen」を基に開発した仮想化ソフトの新版が相次いで登場した。シトリックス・システムズ・ジャパンは2008年10月14日に「Citrix XenServer 5」の提供を開始。日本オラクルは10月28日に「Oracle VM 2.1.2」を発表した。いずれも仮想化したマシン環境(仮想マシン)の可用性を高める機能を追加した。

強化のポイント

仮想化ソフトはコンピュータのプロセサやメモリーを仮想化して、1台のコンピュータ内で複数の仮想マシンを実行できるようにするソフト。コンピュータのリソースを有効活用できるとして利用が広がっている。

シトリックスとオラクルはそれぞれ、システム障害が発生した際のダウンタイムを最小限に押さえる機能を追加した。具体的には、仮想化したコンピュータや仮想マシンに障害が発生すると、仮想マシンを自動で再起動したり、正常に動作しているコンピュータに移行したりする。再起動するのに要する時間は、数秒から1分程度としている。

シトリックスはCitrix XenServer 5で、仮想マシンごとに再起動の優先順位を設定できるようにした。仮想化したコンピュータに障害が発生した場合、その上で動作する複数の仮想マシンの中から基幹業務を担うものを最初に再起動する、といった運用が可能になる。

一方、オラクルは仮想化したコンピュータの性能改善とセキュリティ強化を図った。Oracle VM 2.1.2は、ネットワークやディスク制御に伴うI/O処理の優先順位を仮想マシンごとに設定して、重要なアプリケーションが動く仮想マシンの性能を確保する。複数の仮想マシンのI/O処理が重なってボトルネックになるという問題を解消できる。さらに、あるコンピュータ上の仮想マシンを別のコンピュータに移行する際、仮想マシンの情報を暗号化し、転送時に機密データが漏えいするのを防ぐ。

オラクルは仮想マシンの設定を容易にするテンプレートも拡充した。Oracle Database 11gやSiebel CRM 8など7種のソフトをテンプレートに加え、OSやミドルウエア、アプリケーションからなる仮想マシンを短時間で構成できるようにした。

価格体系

価格はCitrix XenServerのStandard Editionが1サーバー当たり16万8300円など。Oracle VMは無償でダウンロードできる。ただしサポートは有償で、2プロセサまでが年間6万2400円、プロセサ数無制限が年間12万4900円。

表 主な強化のポイント
製品名 Citrix XenServer 5 Oracle VM 2.1.2
国内販売元 シトリックス・システムズ・ジャパン 日本オラクル
強化のポイント
  • 仮想マシンの可用性を高める機能を追加
  • 物理環境から仮想環境への移行支援ツールを提供
  • 仮想マシンのステータス管理機能を拡充
  • 仮想マシンの可用性を高める機能を追加
  • 仮想マシン移行時のセキュリティを強化
  • 仮想マシンの設定を容易にするテンプレートを拡充
価格 Standard Editionが16万8300円/サーバー、Enterprise Editionが56万1000円/サーバー、Platinum Editionが93万5000円/サーバー ソフトウエアのライセンスは無償。サポートは2プロセサまでが年間6万2400円、プロセサ数無制限が12万4900円
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Citrix / Oracle / サーバー仮想化

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