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海外で人気を博す即席麺のマルチャンインク、SAP ERPで新基幹システムを構築

NECとアビームコンサルティングが構築を支援

2008年12月18日(木)IT Leaders編集部

東洋水産の米国現地法人で、米国およびメキシコの即席麺トップシェアのマルチャンインク(Maruchan, Inc.)が基幹システムを新たに構築し、2008年10月より本格稼働を開始した。独SAPの基幹業務ソフトウェア「SAP ERP」を基盤としている。構築を支援したNECとアビームコンサルティングが同年12月17日に発表した。

 米国およびメキシコの即席麺(インスタントラーメン/焼きそばなど)トップシェアのマルチャンインク(Maruchan, Inc.)が基幹システムを新たに構築し、2008年10月より本格稼働を開始した。

 新システムは、独SAPの基幹業務ソフトウェア「SAP ERP」を基盤としたものであり、購買から生産、販売までをトータルに管理し、財務・管理会計とも連動したマルチャンインクの経営基盤を支える。

 新基幹システムの導入により、マルチャンインクは情報精度の向上を図り、実績データを迅速に収集して取引先とのきめ細かい情報管理を行うことで、小売業者まで含めたプロモーション費用の「見える化」が実現された。これにより、適切な損益管理と費用対効果の実績を加味した、機動的な販売戦略の立案と実行が可能になったという。

写真1:マルチャンインクの即席麺(出典:東洋水産)

 マルチャンインクは、総合食品メーカー大手の東洋水産の北米地域における製造・販売拠点であり、米国における即席麺市場において63%のトップシェアを、またメキシコにおいて83%のトップシェアを獲得している(写真1)。この新基幹システムの構築は、北米市場における更なるシェア拡大に向けた販売戦略の強化、内部統制強化、大手取引先とのデータ連携の実現を狙いとしたもの。

 新基幹システムの主な特徴は以下のとおり。

1.タイムリーな実績情報の把握により、より高精度な需給予測を実現

 新基幹システムの構築により、購買・生産・在庫管理・販売・会計など、従来 部門ごとに導入していたシステムが、「SAP ERP」をベースに全部門で統一されるとともに、日次で更新されていた実績データのリアルタイムでの参照が可能となる。
 これにより、生産から販売までリアルタイムで製品情報が管理され、また、会計情報とも連動することで、実績に即した高精度な需給予測・販売計画立案が可能となる(図1)。

図1:マルチャンインクの新基幹システム概要図(出典:NEC)
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2.プロモーション費用の「見える化」により、より効果的な販促施策を実現

 食品・日用品業界では、川上であるメーカーにおいて販売店舗で行われるイベントなどのプロモーション費用の把握が困難なことが課題であった。新システムでは、Synectics Group, Inc.が提供するプロモーションサービスを利用し、小売業や卸などのブローカーとプロモーションシステムを共有化することによりプロモーション費用の入力とマルチャンインクへの報告が可能となる。

 これにより、プロモーション費用が「見える化」され、取引先別・商品別での損益を正確に把握することが可能となるほか、費用管理、予実管理の更なる徹底により、効果的な販促施策の立案が可能となる。

3.事業環境の変化にも柔軟に対応可能なシステム基盤を実現

 受注管理や出荷案内、物流情報管理にEDI(Electronic Data Interchange)を活用し、取引顧客数・取引量の拡大など今後の事業環境の変化にも柔軟に対応可能なシステム基盤となっている。また、取引先からのシステム対応要求によるRFIDの導入などにも対応可能であり、拡張性の高いシステムとなっている。

NEC
http://www.nec.co.jp

アビームコンサルティング
http://www.abeam.com/jp/

新基幹システム概要図
http://www.nec.co.jp/press/ja/0812/1701-01.html

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