理経は2009年3月16日、IBM製XIVストレージシステムの販売開始を発表した。同製品は、これまでの業務アプリケーションで使用されていたような階層型ではなく、グリッド構成で階層のないデザインアーキテクチャによる新しいタイプのディスクストレージで、データをミラーされた状態で分散する独自のミラーリング技術により、高信頼性と高可用性を実現可能にしている。容量仮想化技術のThin Provisioning(シン・プロビジョニング)機能によるディスク容量の自動配置など、構成や運用管理も手軽にでき、煩雑なストレージの設計作業は不要という。
発表によれば、普通のディスクシステムには忙しいHDDと暇なHDDがあり、パフォーマンスに偏りが出て部分的に極端にレスポンスが遅くなることがあるが、同製品は180個のHDDで分散アクセスが可能なため、ボトルネックやホット・スポット(局所的に忙しい状況)が発生しない。障害時にも、スペア・ディスクにコピーするのではなく、残っている179個の全ディスクでリカバリーするため、回復のスピードが段違いに速いのが特徴だという。データが満杯な状態でも30分程度、半分なら15分で回復コピーが終わるとしている(一般に、1TBのコピーには6時間~25時間程度かかるとのこと)。通常のディスクと比べて「二重障害」の発生する確率を大幅に低減可能となる。
同社では、同製品の活用エリアを以下のような広がりでとらえている。
- CTやMRIなど医療画像
- コールセンターや通信販売業の音声記録といった加速度的に増加していくイメージデータ保管用
- どのアカウントがどれくらいの容量を必要とするのか予測がつかない大規模メールサーバーのバックエンドストレージ
- 部門ごとに分散したファイルサーバーの統合を実現する大容量ディスク
大容量ディスクを必要とするほとんどのシステムにおいて充分なパフォーマンスと安全性を廉価に提供し、顧客満足度の向上に効果を発揮するとしている。
メインのハードウェア(モデルフル)構成は次のとおり。
- 12台のドライブを搭載したモジュールを15個装備
- ユーザー容量:79TB
- 180個の1TB SATA HDD
- 6個のモジュールにはホスト接続用ポートを搭載(4Gb FCポート×24個、1Gb iSCSIポート×6個)
- 120GBのキャッシュ(8GB×15モジュール)
また、以下の各種機能を装備している。
- 分散アーキテクチャ
- Thin Provisioning(容量仮想化技術)
- Snapshot(ほぼ瞬時のスナップショット提供)
- 同期リモート・ミラーリング
- データ・マイグレーション
- CLI/GUI
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