総合人材サービスを展開するインテリジェンスの子会社で、システム開発・運用を手がけるインテリジェンス ビジネスソリューションズ（IBS）は2009年4月22日、企業の内製化力アップとシステムの最適化を目的に、「SOAによるビジネスプロセス可視化支援サービス」を開始すると発表した。
「SOAによるビジネスプロセス可視化支援サービス」では、専門のエンジニアが企業の情報システム部門に常駐し、SOA（Service Oriented Architecture）の「サービス識別手法」を活用したビジネスプロセス（業務工程）の可視化作業を支援。要望により、その後のBPR（Business Process Re-engineering）コンサルティングや、識別されたサービスをSOAによって実装する工程もサポートする。
インテリジェンス ビジネスソリューションズ（IBS）によれば、社会情勢の急激な変化のなか、企業にはスピーディーな事業展開が求められており、システムもそれに合わせた柔軟で俊敏な対応が必要とされている。低コストで迅速に、システムを変化に対応させる方法として注目されているのが、「SOA」の考え方で、これは、業務上の一処理に相当するソフトウェアの機能を「サービス」と見立てて設計・開発し、ビジネス全体に大幅な変更があった場合でも、サービス単位でシステムを組み替えて対応できるようにしようとするもの。
SOAを導入することで、システムを作り直すのではなく、パズルのピースを組み替えるように短期間での最適化が可能になるところから、近年、SOAを取り入れてシステムの効率化や最適化を図りたいと考えている企業が増えているものの、ほとんどの企業ではシステム部門の人材不足やスキル不足により、着手できていないのが現状だという。
同社は、SOA導入の中でも最初のステップとなる「サービス識別」作業に着目。既存のシステムであっても、サービス識別を行うことで現業務のビジネスプロセスの可視化に貢献でき、システム改修を続けながら、徐々にSOA実装レベルを上げていく手法を開発した。その第一弾として、ビジネスプロセスの可視化サービスを開始するとのこと。
ビジネスプロセスを可視化することで、情報システム部門が自社の業務プロセスとITシステムの双方を理解し、積極的にビジネスプロセスの改善を主導していくことができ、外部ベンダーに全面的に委託せざるを得ない体質から脱却して、効率的なシステムの開発・運用が促進される。さらに、業務部門、情報システム部門、開発ベンダーそれぞれがシステムのあるべき姿をビジネスプロセスのレベルで共通認識として持ち、意思疎通を図ることで、ユーザーの要求に近いシステム構築や改善が可能になる。
「SOAによるビジネスプロセス可視化サービス」のサービス内容は以下のとおり。
- BPMN（Business Process Modeling Notation、ビジネスプロセス・モデリング表記法）の導入と、ガイド（サービス識別・実装、運用、実装）を用いた業務フローの分析と可視化。
- 専門スキルを持つSOAエンジニアがシステム部門の一員として一連の作業を行う中で、ビジネスプロセス可視化のノウハウを移管。最終的にはシステム部門で自立的な管理が行えるよう、SOA人材育成支援サービスも提供する。
- 要望によってはその後、BPR（Business Process Re-engineering）コンサルティングや、識別されたサービスをSOAにより実装する支援も実施する。
価格は、最短3カ月のサービスで300万円から。対応範囲、業務難易度、常駐するエンジニアのスキルレベルによっても異なる。また、システム最適化に向けたコンサルティング、実装の支援は別途費用が必要。
同社では、SOAのサービス識別を自社の標準スキルと定め、システム開発、運用・保守業務を担当するエンジニア全員に対して定期的に社内教育を進めていき、今後3年間で150名以上のSOAエンジニアを育成する予定とのこと。それによりさらに低価格でクオリティの高いサービス提供を目指すとしている。
インテリジェンス ビジネスソリューションズ
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