新任CIOが身につけるべきは、無知を知ることと周囲から学ぶ姿勢
2009年5月29日(金)CIO INSIGHT
CIO INSIGHTから2本の記事を取り上げる。最初は、新任のCIO(最高情報責任者)にとって必要となる素養に関する記事。洋の東西を問わず、CIOに明確なキャリアパスは存在しない。新たにITリーダーとなった人、または将来的になる人が身につけるべきスキルや考え方を示す。続いて2本めの記事は、プロジェクトマネジメントに関するものだ。大型プロジェクトの成功には、経営陣の積極的なコミットと、プロジェクトチームにおける役割の明確化が必須であると説く。(翻訳 : 古村 浩三)
ITリーダーになるための明確なキャリアパスは存在しない。初めてCIO(最高情報責任者)になる人にとって、CIOに必要なものは何かを理解することは、大きな課題の1つだ。
ハーバードビジネススクールプレスから2009年4月に刊行された書籍「The Adventures of an IT Leader」は、1人の新任CIOの成長を描いた物語だ。IT分野の経験がまったくないままCIOになった、主人公のジム・バートン。彼の体験や言動を通じ、プロジェクト戦略や危機管理、人材確保・維持、ベンダーとの交渉といった、CIOが直面する様々な問題点への対処法を深く掘り下げている。
CIO INSIGHTでは、この物語の著者であるロバート・D・オースティン氏とリチャード・L・ノーラン氏に話を聞いた。オースティン氏は、ハーバード大学CIOエグゼクティブ・プログラムの責任者。ノーラン氏はハーバード大学名誉教授兼ワシントン大学マイケル・G・フォスタービジネススクール教授を務める。コンサルティング会社であるノーラン・ノートン(国際監査法人であるKPMGが買収)の元会長でもある。
CIO INSIGHT:本書の主人公ジム・バートンは、自分の新しい役割であるCIOについて考えるとき、「ITマネジメントとはマネジメントそのもののだ」と力説している。現実の世界でも、経営視点でのマネジメントの考え方をもっと取り入れるべき、と考え始めているCIOは多いのか。
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