[要求仕様の美学]

スケッチ、設計図、プログラミング言語UMLの利用法を再確認する(第11回)

2009年8月6日(木)

ソフトウェア工学が誕生してから、40年が過ぎようとしている。今回からは、ソフトウェア工学が要求仕様にどのようにアプローチしてきたのかを、3回にわたって紹介していく。

「工学」とは何か。定義はいくつかあるが、いずれもややこしい。筆者流に分かりやすく言えば、工学とは「それに従って作業をすれば、同じ性能と品質が得られるような手順を研究する学問」となる。つまり、要求仕様の作成に対する工学的アプローチとは、「ユーザーの要求を正しくとらえ、システム仕様として表現する手順や技法を見出そうとする取り組み」のことである。工学的アプローチと要求仕様は、いかに離合集散を繰り返したのだろうか。以下で簡単に見ていこう。

要求仕様への工学的アプローチは、「あいまいさ」との格闘を繰り返してきた。

ソフトウェア開発手法が活発に研究されるようになったのは、1960年代のこと。これ以降、構造化設計技術やDOA(Data Oriented Architecture:データ中心開発手法)が提唱された。これらが発展して、オブジェクト指向という考え方に至ったのは、みなさんもご存じの通りである。

その一方で1970年代後半には、要求仕様があいまいであるために開発コストが増加するという問題が多発するようになった。この問題を解決するため、あいまいさを排除した厳密な要求仕様言語であるRSLが開発された。RSLとはRequirement Specification Languageを略したものである。「要求仕様言語」とでも訳せようか。

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