「バグを早く直して欲しい」。これは、顧客から見れば常に期待することだろう。そもそもバグを作り出したのはメーカーなのだから、すぐに直すべきだというのは普通の考え方だ。しかしながら、これにも優先順位があること、また、修正版を適用することによる副作用(サイドエフェクト)など、きちんと考慮すべきところもある。ここでは、バグに対する対処法を述べるとともに、その中でできるだけ早くバグフィックスさせる方法について述べていく。
まず始めに、バグ発生から修正版提供までにどのような登場人物がいるのかという点から述べていく。これは、以下のようなエスカレーションフローに基づく登場人物ということになる。
上記の登場人物に対して、バグという観点からそれぞれの役割を以下に記述する。なお、ここで述べていることはあくまで一般的なもので、会社ごとに多少違った形態やエスカレーションフローを使用していることをあらかじめ理解しておいていただきたい。
1.Tier1
Tier1では、ユーザーから問い合わせの合った障害(ここではバグに関して記述しているため、問い合わせの内容を「障害」という呼び方にする)に対して、既知の障害であるかどうかを確認する。既知の障害だった場合、その情報をユーザーに連絡する。連絡する内容は、パッチなどの修正版がすでに公開されている場合にはその情報の提供、ワークアラウンドなどの回避策が示されている場合にはその内容、また、今後のリリースにおいて修正される場合にはその時期や内容である。
既知の障害でなかった場合には、Tier2にエスカレーションし、詳細調査、技術的な調査を依頼する。
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