[テクニカルサポートとの付き合い方]

解決までの時間を明確化させる方法(第7回)

2009年8月26日(水)

いつ問題が解決するのかは、システムを預かる管理者にとって非常に重要な問題である。上司への報告にも、これを盛り込む必要がある。しかし、一般的に問題がいつ解決するかを明確にするのは難しく、調査を進めてみないとわからないのが現状である。ユーザーも、そもそも解決までの時間がコミットできるとは思っていないかもしれない。だが問題が実際の運用上、あるいはビジネスに重大な影響を与えるものである場合には、ユーザーは一刻も早い解決を望む。そのため、管理者はどうしても解決までの時間を明確にしたいと考えるだろう。上司への説明などが必要なため、解決までの時間もある程度明確にしたいはずだ。ここでは、解決までの時間はどの程度明確化できるのかを検討し、明確化できない場合の対処方法についても述べていく。

解決までの時間を考える前に、まず、テクニカルサポートが問い合わせへの回答までの時間や解決までの時間といった時間的な内容をどう定義しているかについて述べる。テクニカルサポートが定義しているのは、一次回答までの時間や定期的な回答までにかかる時間であり、解決までの時間ではない。テクニカルサポートは、第4回で説明したシビラティ(重大度や深刻度といった意味。Severityの日本語表現)に基づいて回答までにかかる時間を定義している。具体例を以下に示す。なお、以下はあくまで一例であり、実際の回答までの時間がシビラティ別にどう定義されているかは、メーカーのWebサイトなどで確認してほしい。

  1. シビラティ1: テクニカルサポートが問い合わせを受けてから1時間以内に一次回答を行う
  2. シビラティ2: テクニカルサポートが問い合わせを受けてから2時間以内に一次回答を行う
  3. シビラティ3: テクニカルサポートが問い合わせを受けてから1営業日以内に一次回答を行う
  4. シビラティ4: 一次回答までの時間は規定しない

上記の定義では、一次回答(ユーザーからの最初の問い合わせに対するテクニカルサポートからの最初の連絡)までの時間は定義しているものの、その後の回答までの時間は明確にしていない。一次回答のあとの回答は、あくまでユーザーとの間のSLA(サービスレベルアグリーメント)などで定義するものだからだ。定期的な回答までの時間を公開している会社も当然あるということを付け加えておく。

上記の定義のように一次回答までの時間だけを明記している場合でも、テクニカルサポートはユーザーへの定期的な回答までの時間を内部的に定めているのが普通である。特に、CRMを利用した問い合わせ管理システムでは、一定時間経過すると「ユーザーへの連絡を取るように」というアラートを発する仕組みを備えている。そのため、テクニカルサポートは事実上一次回答までの時間とその後の定期的な連絡にかかる時間までは決めているのが一般的である。しかし解決までの時間は保障しないというのが、テクニカルサポートの基本スタンスのようだ。確かに、調査してみないとどのように解決できるのかはわからない。したがって、解決までの時間を保証するかわりに、解決までの時間の目安を明確にしていくことを考えるとよい。解決までの時間の目安を明確にするためには、解決までの調査手順をある程度明確にすることが有効になる。

それでは、まず解決までの調査手順を明確にできない理由を考えてみる。理由は大きく以下の2点になるだろう。

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