[新製品・サービス]

電子政府からミクシィまで――セールスフォースのイベントで国内クラウドユーザーが講演

2009年9月17日(木)

 セールスフォース・ドットコム(SFDC)は2009年9月15日、クラウドコンピューティングに関するイベント「Cloudforce Japan」を都内で開催した。冒頭の基調講演には米SFDCのマーク・ベニオフ会長兼CEO(最高経営責任者)が登場。すべてのユーザーに対し最新かつ同一のバージョンのアプリケーションを提供する同社サービスの利点に触れ、「新バージョンを米国でリリースした瞬間に日本のユーザーも利用できる。いままでのソフトウェアのように『国内版』の提供を待つ必要がない。これはITの世界にとって大きなイノベーションだ」と強調した。

 同社のサービスを利用する国内企業のCIO(最高情報責任者)も多数ゲストとして登壇した。トップバッターとして登壇した損害保険ジャパンIT企画部課長代理の久田 順一郎氏は、2009年度下期にかけて、社員と5万店ある代理店の従業員が、顧客関係管理(CRM)アプリケーションの「Salesforce CRM」をはじめとするSFDCのサービスを利用することを明らかにした。追加料金なしで利用者を追加できる大規模ユーザー向け契約体系「Enterprise License Agreement」を国内第1号としてSFDCと締結。「ハードを用意することなく月額料金のみですぐに利用できるため、ビジネスイノベーションに注力できる」(久田氏)とクラウド移行の利点を語った。

 次に経済産業省 商務情報政策局情報経済課長の前田 泰宏氏が講演。省電力型家電の購入時にポイントを付与する「エコポイント」用のシステムをSFDCと共同で構築した事例を紹介した。加えて同省は現在、コミュニケーションサイト構築サービス「Salesforce CRM Ideas」を活用した電子政府の再構築プロジェクトを進行中であることに触れた。新システムは2009年11月14日までに稼働開始する。Salesforce CRM Ideasは、米国でオバマ政権が政権移行時に構築した国民とのコミュニケーションサイト「Change.gov」にも活用されており、同省の取り組みも同様のものになりそうだ。

 続いて登壇したのはミクシィ代表取締役社長の笠原 健治氏とゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)代表取締役社長の石坂 信也氏。ミクシィは2009年8月24日、同社のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「mixi」上に様々なアプリケーションを組み込める「mixiアプリ」サービスを開始。GDOはこのmixiアプリを利用し、ゴルフに関するアンケート機能を持つアプリケーションを提供する関係にある。これはSFDCとミクシィが同日に発表した、mixiアプリとSalesforce CRMとの連携機能を活用したもの。mixiユーザーが回答したアンケート結果をSalesforce CRMに取り込み、ダッシュボード上で分析できる。分析結果は、GDOが運営するゴルファー向けサイトの改善や新サービスの開発に役立てる考えだ。石坂氏は「CRMは今まで文字どおりカスタマーリレーションの管理のみだった。これからは、ミクシィのようなコミュニティリレーションが重要性を増し、新しい時代のマーケティングを切り開くだろう」と語った。

 最後に、ローソンの常務執行役員CIO ITステーションディレクターの横溝 陽一氏が壇上に上がった。同社は2009年4月に、社内情報システムをForce.comで構築したことを発表している。クラウド活用を後押ししたのは導入の迅速さだったと、横溝氏は語る。「従来型のシステムは、要件定義に半年、構築に1年かかるのが普通。これではビジネスの変化に即応できないと判断した」。横溝氏は、メールサーバーのクラウド移行事例についても説明した。IBMの「Lotus Notes」から、基盤サービス「Force.com」上のアプリケーションへ全社規模で移行させた。その背景には、小規模なクラウド移行の成功事例があったと説明。「まずIT部門の案件管理からクラウドへ移行。これを成功させたことで、クラウドに対する社内の評価を得られた。クラウドサービスは比較的簡単に利用を開始できるので、まずは使ってみて効果を出すことが大事だ」(横溝氏)と聴衆にアドバイスし、講演を締めくくった。

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