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【ザ・レビュー】複数のDBを仮想的に統合し、リアルタイムのデータ分析環境を提供

2009年10月1日(木)

DynaTrek(ダイナトレック) 導入コストの高さや、最新データに基づく分析作業に不向きといった理由でデータウェアハウス(DWH)導入をためらう声は少なくない。これに対し「仮想DWH」と呼ぶ独自の手法で解決に取り組む製品がある。ダイナトレックの「DynaTrek」だ。

販売管理システムや営業支援システムなど、複数のシステムから必要なデータを抜き出して専用データベースに格納。それをBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどを使って分析し、事業戦略に生かすのがDWHだ。膨大なデータを扱う際のレスポンスを確保するために、データ更新がない夜間に日次のバッチ処理などでサマリーデータを生成しておくのが一般的だ。このため、DWHに蓄積するデータは前日分までのものとなり、「今現在の売上状況を知りたい」といったケースでは、必要な情報を引き出せないという課題があった。

この問題に対し、DynaTrekは独自のアプローチで解決を図る。同製品を一言で説明するなら「DBを仮想的に統合するソフト」である。

DynaTrekはサマリーデータを持たない。各DBにはどんなテーブルがあり、それぞれに定義されている項目名やデータ型などの情報を、導入企業の実態に合わせて登録する。こうすることで、分析者の要求に対しDynaTrekは、必要なデータがどのDBに格納されているかを判断して検索ジョブを切り分ける。一般には複数、それも種類やバージョンの異なるDBに格納されていることになるが、各DBに最適なSQL文を発行し、最新のデータを取得する。それらをまとめた上で分析結果として画面に表示する。つまりDynaTrekは、業務システムごとに存在するDBの中身を記載した「総合カタログ」の役割を果たしているのだ。

分析者が「顧客」として指定したい項目も、DB側では「取引先」や「ユーザー名」などシステムごとに異なる名称で定義している場合も少なくない。DynaTrekは、分析者が使う用語とDBで定義している用語を紐づける「辞書」機能を用意して一貫性を保つ。

こうした一連の仕組みを開発元のダイナトレックは「仮想DWH」と表現する(図)。一般的なDWHと異なり物理的なDBが必要ないので導入コストを抑えられるほか、分析時に随時DBを検索するため最新データを対象にできる。これがダイナトレックが訴求するメリットだ。

図 「DynaTrek」を用いたデータ統合の仕組み
図 「DynaTrek」を用いたデータ統合の仕組み

一方で、DBごとに異なる粒度のデータをどう扱うのか、ストレージの中にあるような過去データを比較するにはどうするのかといった、サマリーデータを持たない故の限界もある。また、稼働中の業務システムからデータを取得することで余計な負荷がかかるのではという心配も起こる。これに対し、代表取締役の佐伯譲二氏は「検索処理を効率化するうまいSQLの発行法や、応答速度向上のためのチューニングなど、DBごとに異なる高度なスキルを身に付けている。日米特許で守られたノウハウもある」と説明する。

1999年に市場投入して以来、バージョンアップを重ねて性能向上を図ってきた。最新版は今年4月に提供を開始したDynaTrek4となる。参考価格は1サーバーあたり1000万円弱(検索対象DBが3台の場合)。導入に費やす期間は、平均3か月程度だ。

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