[木内里美の是正勧告]

ソフト開発にコンピュータを使わないIT産業(vol.13)

2009年10月5日(月)

情報システム関連の業務に携わるようになる前まで、筆者はIT産業の人たちをコンピュータ遣いの達人だろうと考えていた。それにしても腑に落ちないことがあった。ソフトウェアを作る人たちが、どうしてコンピュータを駆使しないのかということである。言い換えれば、ソフトウェア生産の機械化がなぜ行われないのだろうかという、単純な疑問である。

製造業などでは自動化は当たり前

製造業も建設業もサービス業も常に機械化や自動化、部品化を進めている。依然として人手に頼らなければならないことも多いが、機械化やロボット化を進める合理化努力は止まない。

かなり以前のことだが、ある造船所を訪問した際にその一端を見たことがある。鋼板から最も経済的に部品の板を切り出す“板取り”や“切り出し”を自動化し、船体に組み上げる溶接もロボットで自動化していた。これらの制御はコンピュータで行われており、そのプロセスでは人手を極限まで省いていたのだ。溶接の熱による歪み分も計算済みなので、仕上がりの寸法検査は必要ないという。こういうコンピュータの使い方こそ、本来求めていたものではないかと感銘を覚えた。

ひるがえってIT産業を見ると、ソフトウェアの生産は相変わらず人力頼みで、機械化や自動化の進化が見られない。これはどうしたことなのだろう。

「アジャイル開発」といわれる開発手法のカテゴリーがある。アンチ・ウォーターフォール型の手法で、「XP(eXtreme Programming)」や「スクラム」など反復型の手法を用いて、要件変更に柔軟に対応し、早期に高品質のソフトウェアを構築する開発手法を総称している。この中にはソフトウェアのコンポーネントを再利用するようにしてセミオート化するRAD(Rapid Application Development)ツールやCASE(Computer Aided System Engineering)ツールなど古くからある手法も含まれるようだ。

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