[ユーザー会通信]

協議会の名に相応しい徹底議論、会員の声を聞き製品を磨く─ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会(JECS)

ユーザー会通信 第13回 ジャストシステム

2009年10月27日(火)IT Leaders編集部

1998年に提供を開始したジャストシステムのエンタープライズサーチ製品「ConceptBase」。順調にユーザーを増やし、発売から2年ほど経った頃には、成功事例を紹介してほしいというユーザーからの話が相次ぐようになった。開発サイドからもユーザーニーズをダイレクトに吸い上げたいという要望が多くあり、2001年、「ジャストシステム・エンタープライズソリューション協議会(以下、JECS)」が設立された。会員はNOK、第一三共といった大手のユーザーをはじめとして、さまざまな業種にわたり、現在では約200社300名に上る。

JECSはその名を「協議会」としているように、ユーザー同士の親睦が目的ではない。コンセプトは「徹底して議論する場」だ。成功事例の共有とニーズの吸い上げにとどまらず、徹底的な深い議論を繰り広げ、バージョンアップや機能向上に反映させていくことで、ジャスト、会員企業双方のメリットを追求する。

一般的なユーザー会は、活動を会員企業の自主性に委ねるケースも多いが、JECSでは少し趣が異なる。

設立当時、代表取締役社長だった浮川和宣氏が初代会長に就任したのも、ユーザー会としては異色と言える。JECSでは社長自らがユーザー会長に就き、会を引っ張っていくことを選んだのだ。浮川氏は研究会活動にも出席。積極的に活動を盛り上げる役割を担っている。

活動の中心は研究会だ。情報共有におけるXML活用勉強会、検索エンジン利用ノウハウ研究会、情報活用戦略研究会の3研究会と、CB活用塾、FAQ活用塾の2つのワークショップがある。

研究会活動は隔月で開催され、10人前後の少人数で活発な議論を展開する。成果は毎年1回のカンファレンスで発表される。

この研究会活動こそJECSの第1の特徴だ。会員企業、ジャストの企画や開発担当者のほかに、外部からコーディネーターを招き、研究会活動の企画から運営までの舵取りを依頼している。ベンダーとユーザーという視点だけではなく、第3者的な立場のコーディネーターが議論の舵を取り、会員、ジャストの双方にとって成果が最大化するように導く役割を果たしているのだ。

もう1つの特徴ある活動が合宿である。研究会メンバーの要望から始まったこの合宿は、毎年1回、1泊2日の泊まり込みで行われる。合宿というと親睦や観光がメインで、宴会前にちょっとした勉強会をするくらいと想像されるかもしれないが、この合宿は丸2日間にわたって濃密に議論する。合宿前にもプレミーティングを行い、課題を設定し、合宿の2日間で徹底的に議論を戦わせ、最後に発表となる。例年10〜20人が参加する。

海外視察ツアーも同様に濃密だ。米西海岸などで開催される大きなイベントへ有志で参加。担当を決め、カンファレンスに参加するのはもちろん、ホテルに戻ってからも報告会、さらにはどうビジネスや製品に生かすかなどの議論が深夜まで続く。

研究会や合宿、視察など、活動の成果は、製品のバージョンアップや機能向上に生かされるが、JECSではさらに何社かの会員とともに共同開発という形で新機能の実証実験にも参加するという。

ジャストシステム・エンタープライズ
ソリューション協議会 概要
設 立 2001年
趣 旨 情報交流、情報交換、相互啓発
会員数 約200社300名
年会費 無料
主な参加企業 NOK、第一三共、鳥居薬品、ワコール
URL http://www.justsystems.com/jp/services/jecs/
主な活動
研究会、カンファレンス(年1回)
合宿、海外視察ツアー
各種情報提供(メールマガジン、Webサイト等)

会長からのメッセージ

浮川 和宣 氏 ジャストシステム代表取締役会長 浮川和宣氏

企業活動において日々蓄積される膨大な情報は、経営資源としての重要度を増しています。しかし、実際に有効利用できている企業はごくわずかではないでしょうか。

本会は単なる情報交換ではなく、先進的な技術やお互いの経験を伝え合い、議論を交わすことで生まれる気づきを製品やサービスに反映。一方、参加企業はその製品と有効な利用方法をそれぞれの企業で生かすことを目的としています。

多くの先進的な製品と成功企業がこの協議会から輩出されることを願い、活動を続けています。

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