[市場動向]

仮想化からクラウド、スマートグリッドまで――三菱電機のR&D活動

2010年2月19日(金)

 三菱電機は2010年2月16日、研究開発(R&D)活動の発表会を開催した。同社の事業は情報システムだけでなく、社会インフラや材料分野まで幅広いため、発表内容の分野も多岐にわたる。今回は発表内容の中から、情報システムに関連の深いものをピックアップして紹介する。

仮想化技術でシステムを安価に冗長化

 1つめは、仮想化を利用したシステムの冗長化技術だ。障害時に元のシステムを仮想マシンとして復旧させる仕組みで、冗長化に必要なシステムリソースを削減できる。主に金融機関のシステムなど、3重化構成が必要なシステムへの適用を想定している。

 「仮想化技術を用いた情報システムの信頼性向上技術」と呼ぶこの技術は、各システムを稼働する仮想マシンのイメージを事前に取得し、それを分割して複数の物理サーバー上のディスクに分散保存する。ある仮想マシンに障害が発生した際、分散保存していたその仮想マシンの正常時のイメージをシステムが自動収集し、リソースに余裕のある物理サーバー上に新たな仮想マシンとして復旧させる仕組み。

 各物理サーバーにVMwareやXen、Hyper-Vといった仮想化ソフトを導入。仮想化ソフト上で稼働するLinux OSの仮想マシンの1つに、専用の管理ソフトをインストールして管理サーバーとする。管理サーバーは各物理マシンに導入し、各管理サーバー間で通信して物理サーバーの障害情報を共有する。

 仮想マシンのイメージは、システムの初期起動時やバージョンアップ時に取得する。イメージ分散保存の仕組みは、バイナリ単位とファイルシステム単位の2つから選択可能。分散保存したイメージから仮想マシンに復元するまでの時間は、50GBのデータを持つシステムの場合は現状で1時間程度だという。今後はさらに復元時間を高速化し、トランザクション処理などデータの変更が頻繁に発生するシステムへの適用も視野に入れる。

 「金融機関では稼働系のほか、障害時の復旧用の待機系、待機系が故障したときのための予備系とシステムを3重にして冗長化する例もある。開発したシステムを利用すれば、予備系のシステムを常時用意する必要がなくなり、サーバーリソースを有効活用できる」(ビジネスプラットフォーム技術部長の撫中 達司氏)。3~5年後の実用化を目指している。

(次ページではクラウド時代を見据えた個人認証技術と、スマートグリッド関連技術を解説)
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