[木内里美の是正勧告]

進まぬ電子行政は国家の恥(vol.18)

2010年3月8日(月)

1994年12月、行政情報化推進基本計画が閣議決定された。いわゆる電子政府、電子自治体と称する行政系の情報化の始まりである。それから15年、計画は全くといっていいほど進展を見せていない。

1994年といえば、インターネットが急拡大する前であり、初のWebブラウザ「Mosaic」が公開された直後のこと。計画自体は、世界的に見ても先進的だったといえるだろう。しかし、その後進んだのは霞が関WANや各省庁のLAN、住基ネットなど、いわばハード中心のインフラ整備だった。

能力のなさを露呈

2001年には「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」、いわゆるIT基本法が策定され、行政の情報化が重点分野に位置づけられた。2003年には行政手続オンライン化法が施行され、電子政府構築計画も閣議決定された。内容面では行政手続きのワンストップサービスや業務・システムの最適化計画など、ハードからソフトへ重心が移動。いよいよ世界に誇れる電子行政が実現されるかに思えた。

だが、いまだに成果は上がっていない。IT戦略本部のe-Japan(2001年)は、総務省単独のu-Japan(2006年)構想を挟んでi-Japan(2009年)に変わり、成果は2015年まで先送りになった。電子政府はまとまらず、電子自治体はバラバラである。

推移を冷静にみれば、国家の威信を無くした醜態だ。“国家の恥”とも言える。先進諸国から見れば、あるいは途上国から見ても、金をばらまくハードはともかく、ソフトの能力がないことを露呈してしまった。見本や手本にする国、あるいは競合相手とは見做されない。民主党による新政権も、電子行政にはほとんど言及しない。

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