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総合賞の栄誉は三井住友銀行に富士フイルム子会社などIT賞受賞5社が講演

2010年4月15日(木)

IT賞受賞企業の取り組み IT戦略総合大会/企業情報化協会 2010年2月16日、企業情報化協会(通称:IT協会)が主催するIT戦略大会のオープニングセッションで、2009年度IT賞を受賞した5社が記念講演を行った。同賞は、ITを活用した経営革新に顕著な努力を払い、優れた成果を挙げた組織や個人をたたえる表彰制度である。

トップバッターは、ITマネジメント賞を受賞した富士フイルムコンピューターシステムの柴田英樹システム事業部ITインフラ部長である。同社は2008年から、富士フイルムグループ内の基幹系サーバーを仮想化技術を用いて統合中だ。2011年3月までに、442台のサーバーを4台のブレードサーバーに集約し、年間5億円のIT費用削減を見込む。柴田部長は「先行事例がないため、試行錯誤を重ねた」と述べ、特に検討を要した点として「仮想化範囲の策定」「検討フローの確立」「技術要素の選定」「移行方式の確立と動作検証」を挙げた。

小島プレス工業の受賞理由は、自動車部品業界におけるSaaS型共通EDI基盤の構築と展開である。2009年7月からサービスを開始し、現在30社が利用している。小島洋一郎社長は「SaaS型EDIを普及させることにより、産業全体のサプライチェーンを効率化できる。企業がサーバーを所有しないことでCO2削減効果も狙える」と意気込んだ。

札幌ドーム総務部チケット事業課長の坂本佳洋氏は、QRコードを利用したチケットレス入場認証システム「らくスルー」の概要と効果を報告。チケットの用紙代や郵送費といった販売コストの削減だけでなく、「イベントスタッフが紙のチケットを確認して半券をちぎる手間が不要になったため、入場にかかる時間を大幅に短縮できた」(坂本氏)と話した。

続いて、協和発酵キリン情報システム部の中山嘉之部長が「エンタープライズHUB」の構築背景や狙いを述べた。エンタープライズHUBは、全社共通マスターを集配信する機能と、システム間でイベントデータを蓄積・交換する機能を併せ持つ。中山部長は「今後はこの仕組み上に多くの社外サービスを取り込んでいく」とし、2010年4月から人事業務にSaaSを活用していく計画を明らかにした(本号特集に詳細)。

三井住友銀行の島田秀男専務執行役員が、講演の最後を締めた。同行は「CUTE」と呼ぶシステムを、営業店業務の変革に役立てている。CUTEは、従来システムでは2つに分かれていた事務処理画面と顧客対応画面を1画面に表示する。このほか、事務作業のナビゲーション機能を実装し、窓口業務の効率化と顧客満足度向上を両立させた。「A4用紙にして年間2800万枚のペーパーレス効果も出ている」(島田専務)という。 (力竹)

2009年度IT賞の受賞企業と受賞理由
受賞企業 受賞理由 詳細
IT総合賞 三井住友銀行 次世代型銀行営業店システム「CUTE」を活用した営業店業務の変革 事務作業の的確なナビゲーションや、顧客による書類記入の大幅削減などの機能により、業務効率と顧客サービスを同時に向上させた
ITマネジメント賞 協和発酵キリン クラウド時代を見据えた情報システムアーキテクチャの整備 「エンタープライズHUB」と呼ぶ機構を開発。社内システムとSaaSなど外部サービスを、データの品質を維持しつつ容易に連携させられるようにした
ITマネジメント賞 富士フイルム
コンピューターシステム
サーバー統合・仮想化による運用コスト削減 既存サーバーを仮想化するとともにネットワークを再編し、コストを大幅に削減。新規導入スピードも向上し、グループ全体の事業再構築に迅速に応えた
ITフロンティア賞 札幌ドーム QRコードを利用したチケットレス入場認証システムの構築 チケットの用紙代や郵送費といった販売コストの削減にとどまらず、入場者の利便性向上や、顧客である興行主の利益にも貢献した
IT特別賞
(産業ITインフラ賞)
小島プレス工業 次世代企業間連係システムの構築 仕入取引業務を効率化するためのEDI基盤を構築。部品メーカーや自動車メーカーに提案し、自動車産業全体のサプライチェーン最適化に取り組んでいる
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