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可用性や災害対策など「非機能要求」を6段階で可視化

2010年4月1日(木)

非機能要求グレード/SI大手6社、IPA 情報システムの可用性や性能、耐障害性、セキュリティなどを、本来求められる機能要求と対比して「非機能要求」と呼ぶ。では、非機能要求は何項目あって、それぞれどんなレベルがあるかは意外に曖昧だ。これが原因で、開発プロジェクトのコスト/期間の超過などにつながることも少なくない。

こうした背景において2010年2月25日、日本の大手システムインテグレータ6社と情報処理推進機構(IPA)は、共同で「非機能要求グレード」を完成したと発表した。NTTデータ、沖電気工業、NEC、日立、富士通、三菱電機インフォメーションシステムズの6社が2008年4月に発足させた「非機能要求グレード検討会」が、2年がかりで策定を進めてきた成果である。

中核になるのは項目一覧

同グレードの主な構成要素は、「非機能要求項目一覧」「グレード表」「樹系図」の3つ。中でも中核となるのは項目一覧である。要求定義の段階で明らかにしておくべき非機能要求を、「可用性」「性能・拡張性」「運用・保守性」「移行性」「セキュリティ」「システム環境・エコロジー」の6つに分類。合計で236に及ぶ項目を洗い出し、整理したものだ。

ここで、項目ごとの要求レベルを決める際の指標を0〜5の6段階で定義したのが特徴である。例えば「運用スケジュール」という項目では、運用時間を指標に設定。「0:規定無し」から、「5:24時間無停止」まで、6段階の要求レベルを提示している。このレベルは、システム障害時の社会的影響に依存しており、影響がほとんどないシステムは2以下、影響が限定されるシステムは4以下、影響が極めて大きいシステムは5となっている。

このほか、グレード表はコストや品質への影響度が高い92項目について、一般的にどの程度の要求レベルを設定すべきかを例示している。樹系図は、非機能要求項目をツリー構造に展開したものである。非機能要求項目一覧を中核に据えつつ、使い勝手を高める工夫を施したといっていい。

普及には強制力が必要

次なる課題は、非機能要求グレードの普及と活用、つまり実際のシステム開発での利用である。目下、6社とIPAは国内での基準や規格として義務づける考えはないとする。となると、非機能要求グレードは絵に描いた餅になりかねない。使いやすさを重視しているとはいえ、非機能要求グレードを使うには理解/習得の努力が必要で、逆に全く使わなくてもシステム構築は可能だからだ。やはり「政府や自治体の調達案件では利用を義務化する」「少なくとも6社が手がけるシステム案件では利用する」「非機能要求項目一覧のレベルを明記したうえで、開発したシステムを引き渡す」といった、ある種の強制が必要だろう。 (力竹)

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