[ザ・レビュー]

営業担当の外回り業務を見える化、位置情報活用で訪問ルートの無駄をあぶり出す

携帯GPSを使った位置情報サービス「DP2」(ナビッピドットコム)

2010年5月13日(木)折川 忠弘(IT Leaders編集部)

組織での外回り営業を効率化したい−。そんな時に役立つのが、ナビッピドットコムの「DP2」である。GPS(全地球測位システム)機能付き携帯電話を活用し、営業担当者の行動ルートを見える化。渉外活動の効率アップを支援する。

フィールド営業員は、自分が担当する顧客先を巡る毎日。訪問計画は各自の裁量に任せている企業もあり、その結果、営業部門全体として見れば結構な無駄が潜んでいるケースが少なくない。担当エリアが営業員同士で重複していたり、1人ひとりの訪問ルートに計画性がなく非効率的な経路をたどっていたりといった具合だ。営業の基本は顧客との商談にできるだけ多くの時間を割くこと。現状の無駄を「見える化」し、関係者全員が問題点を共有することが改善の第一歩となる。

ここに目を付け、営業担当者の訪問ルートを徹底的に見える化するサービスを提供しているのがナビッピドットコムだ。2009年4月に提供開始した、ASP型位置情報サービス「DP2」がそれ。GPS機能付き携帯電話で位置情報を取得し、電子地図上にマッピングするのが基本的な仕組みだ。マルチキャリアに対応し、NTTドコモ、ソフトバンク、KDDIの端末が使える。

これまで営業員それぞれの頭の中に入っていた訪問ルートは、いわば「線」の情報。これを電子地図に重ねて「面」で表現する。つまり営業活動の軌跡を鳥瞰できるわけだ。

「いつ・どこで・何をした」営業担当者の行動を掌握

同社を立ち上げた篠崎登社長は、大手家電メーカーの営業担当員として実際に現場回りをしていた経験を持つ。かつて北海道エリアを担当していた頃、濃密な営業をしたいのに移動に時間がかかり、商談が勤務時間全体の2割に満たないというジレンマに悩んでいた。「店舗の潜在的な実力や自社製品の食い込み度を分析して優先的に営業すべき顧客を洗い出し、少ない営業員でどのように手分けして、しかも効率的なルートで訪問する方法を考え抜く毎日だった」(同)と振り返る。

とにかく自分たちの無駄に気づくきっかけが不可欠。その思いがDP2の根底に流れる。「営業員の行動を監視するのではない。限られたリソースで攻めの営業を展開するための基礎資料を手にすることが狙いだ」(同)。

DP2では、携帯電話側のアプリケーションを起動しておくことで位置情報を自動発信する。移動経路のログを蓄積するだけでなく、「何をしたのか」を記録する機能も備える。「移動中」「商談中」といったステイタスを、携帯電話の簡易なボタン操作で送信できるよう工夫する。店頭の商品の陳列状況などを、携帯電話のカメラを使って報告することも可能だ。

蓄積した行動履歴を地図上に表示し、それが妥当かどうかを関係者全員で検討できる(図)。「実際の行動を地図に重ねて見れば、思いも寄らない無駄が発見できる。例えば適切なエリア配分によって浮かせた時間を本来の営業活動に向けられるようになる。基本的なことだが、これが顧客との関係を強化する王道だ」(同)。

図 「DP2」の行動履歴分析画面。重複する担当エリアを俯瞰できる
図 「DP2」の行動履歴分析画面。重複する担当エリアを俯瞰できる

月額料金(税込)はPCからの利用料が5250円。携帯電話からの利用は、NTTドコモとソフトバンクが1050円から、KDDIが525円から(ともに1台あたりの料金)。 (折川忠弘)

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