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仮想化用途を見据え12コアプロセサを投入 メモリー回りも強化しXeonを追撃へ

2010年5月27日(木)

Opteron 6100シリーズ/日本AMD 日本AMDは2010年3月29日、サーバー向けプロセサ「Opteron 6100シリーズ」を発表した。コア数を12個に増やしたほか、アーキテクチャや価格体系を刷新。競合するインテル製プロセサを追撃する。

新プロセサの強化点

Opteron 6100シリーズ※は6コアプロセサ「Opteron 8000/2000シリーズ」の後継モデルで、コア数を12個(もしくは8個)にした点が最大の強化ポイントだ(図)。

図 Opteronシリーズのロードマップ
図 Opteronシリーズのロードマップ
※「Opteron 6100シリーズ」はプロセサ名、「Opteron 6000シリーズ」はサーバー用のプラットフォーム名となる

これは、4月1日にインテルが発表したプロセサ「Xeon 7500シリーズ」の8コアを上回る。ただし、Xeon 7500シリーズはハイパースレッディング技術により、1プロセサあたりのスレッド数は16となる。これについて米AMD サーバー・ワークステーション部門マーケティングディレクターのジョン・フリー氏は、「物理コアによるスレッド処理の方が、ハイパースレッディング技術を用いた処理より性能は勝る」という。加えて「2011年に16個の物理コアを搭載するモデルを投入予定である」(同)とし、今後も物理コアの実装数を増やすことで、インテル製プロセサとの差異化を図る考えだ。

プロセサ単位で課金するタイプのソフトに新プロセサを使えば、処理性能の向上を図りつつ、ライセンス料を据え置きにできるといったメリットも訴求する。

メモリーの実装数やメモリーとプロセサ間の帯域幅も改善した。アーキテクチャの刷新で、1プロセサあたりのメモリースロット数を従来の8基から12基に増やした。メモリー搭載容量は最大96GB(4ソケット時は384GB)となる。さらにプロセサとメモリー間のチャネル数を2本から4本にしたほか、メモリー規格をDDR2からDDR3に変更し、十分といえなかったメモリー帯域幅を拡張した。

採用する技術

12コア化により消費電力が高まる懸念がある。そこで独自技術を取り入れ消費電力の削減を図った。

「C1E Power State」はアイドル時の消費電力を抑える技術で、コアがアイドル状態になると、自動で消費電力の低いスリープモードに切り替わる。「従来の6コアモデルの消費電力量が、アイドル時は92.0Wであるのに対し、新しい12コアモデルは84.5Wになった例がある」(同氏)という。そのほか、一定の温度を超えたプロセサの電力を自動的に引き下げる「AMD Coolspeedテクノロジー」や、冷却/電源装置を遠隔から監視する「APML」なども新たに追加。消費電力の適正化を支援する。

プロセサの価格

Opteron 6100シリーズとして10モデルを用意。8コア版と12コア版を5モデルずつ揃える。8コア版の最上位モデル「6136」は、動作クロック数が2.4GHzとなり価格は744ドル。12コアモデルの最上位モデル「6176SE」は、動作クロック数が2.3GHzで価格は1386ドルとなる。

なお、これまでソケット数(1台のサーバーに実装するプロセサ数)によって異なっていた独自の価格体系を見直し、モデルごとに一本化した。 (折川)

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