[新製品・サービス]

米HP、仮想/物理環境、オンプレミス/クラウドの統合監視製品などを発表

2010年6月18日(金)IT Leaders編集部

米ヒューレット・パッカード(HP)は2010年6月15日、サービス管理やアプリケーション開発支援、ソフトウェアサポートの3分野で新製品・サービスを発表した。同社が米国ワシントンDCで開催中の年次イベント「HP Software Universe 2010」で明らかにしたもの。注目は仮想/物理環境、オンプレミス/クラウド環境の統合監視製品だ。

 発表したのは、サービス管理製品群の最新版「HP Business Service Management 9.0」と、アプリケーション開発時のテストデータを自動生成する新製品群「HP Test Data Management」、同社ソフトウェアの新たなサポートサービス群「HP Solution Management Services」の3つの新製品・サービス群だ。

HP Business Service Management 9.0
仮想・物理環境の障害・変更情報を即座に把握

 HP Business Service Management 9.0の発表に伴いバージョンアップしたのは、システムの構成管理・変更管理製品「HP Operations Manager i(OMi) 9.0」、アプリケーションのパフォーマンス監視製品「HP Business Availability Center(BAC) 9.0」、ネットワーク管理製品「HP Network Management Center(NMC) 9.0」の3製品。

 OMiは、各種ソフトウェアやミドルウェアの情報を監視可能にする「HP Operations Smart Plug-ins(SPIs)」を利用することで、物理環境だけでなく、VMwareなどの仮想環境も統合監視可能にしている。詳細な技術情報は明らかにしてないが、「Amazon EC2などのパブリッククラウドのシステム稼働情報も収集し、1つの画面上で監視できる」(米HP マーケティングディレクターのカルヤン・ラマナサン氏)という(写真1)。

 OMiやBAC向けに新たに追加したのは、「Run-time service model」と呼ぶ機能。これは業務プロセスからアプリケーション、ミドルウェア、インフラの依存関係をマップ化し、さらに変更や障害といったパフォーマンスに関わる事項が発生した時、迅速にマップに反映する機能だ。

 別売のシステム構成管理製品「HP Configuration Management System(CMS)」との連携で実現する。CMSがシステム構成情報やアプリケーションのパフォーマンス情報などを短い時間間隔で収集し、構成管理データベース「HP Universal CMDB software」に格納。BSMがその情報を参照し、最新のシステムの状態をマップとして表示する。

 BSMのラインナップには、BACの機能をSaaSとして提供し、社外のWebアプリケーションのパフォーマンスを管理できる「HP BAC Anywhere」もある。社内にあるBACとファイアウオール越しにデータ連携し、社外と社内のアプリケーションのパフォーマンスを1つのWeb画面で統合監視できる。

HP Test Data Management
テストデータ生成を自動化

 HP Test Data Managementは、アプリケーション開発時のテストに必要なテストデータを自動生成するソフトウェア。実データをテストで利用する際、データの抽出や、セキュリティ対策で必要となるマスキングを自動化する機能を搭載する。たとえば「クレジットカード番号はすべて×××に変更する」といったルールを設定するだけで、データのマスキングを自動実行する。

 「アプリケーション品質向上にはテストデータに実データを利用することが不可欠。だがマスキングなどのデータ加工を手作業で実施している企業が多いのが現状だ。TDMを使えばこれらの作業が自動化でき、業務効率化や開発の迅速化につながる」(米HP BTO Application Solutions バイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーのジョナサン・レンデ氏)。

 今後はテスト自動化・ソフトウェア品質管理製品「HP Quality Center(QC)」との連携を進め、TDMで作成したテストデータをQCに自動送信する機能を実装する。

HP Solution Management Services
サポートサービスを拡充

 HP Solution Management Servicesは、トラブル対応やメンテナンス・変更管理、システム運用代行、製品のカスタマイズや他のベンダーの製品とのインテグレーションなどで構成するサービス群。同社のサービス管理製品群「HP Business Technology Optimization Software」や、データ管理製品群「HP Information Management Software」が対象となる。

 各製品・サービスの日本での販売計画は未定。

画面1:HP Business Service Management 9.0の新機能「Run-time service model」を利用して描いた、アプリケーションやミドルウェアなどの依存関係を示したマップ。物理・仮想環境だけでなく、Amazon EC2などのパブリッククラウドサービスも統合監視できる

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