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ネットワーク新技術やスマートグリッド関連など、NECがR&Dの成果を発表

2010年7月2日(金)

 NECは2010年7月1日、同社中央研究所の研究開発(R&D)活動に関する発表会を開催した。実用・製品化間近のものから、向こう数十年の実用化を見据えた先進的なものまで多岐にわたる同所の研究テーマ。発表会では、実用化が比較的近い技術を中心に紹介した。

ネットワーク機器を統合管理して仮想ネットワークを自動生成

 1つめは、「C&Cクラウド戦略を支えるIT・ネットワーク統合技術」だ。ルーターやスイッチといったネットワーク機器を統合管理する「OpenFlow」という技術を使用。本年度中の製品化に向けて調整を急いでいる。

 OpenFlowは、スイッチやルーターなどのネットワーク機器が備えるルーティングやフィルタリングといった制御機能をハードウェアから切り離し、1つの管理サーバーで複数のネットワーク機器を統合管理可能にする技術。「従来のネットワーク機器は機器ごとに制御可能な項目に違いがあったり、機器ごとの設定が必要になるなど統合管理が困難だった」(NEC中央研究所の陶山 茂樹支配人)。

 管理サーバーはサーバー仮想化ソフトと連携し、システム管理者やアプリケーションからの仮想サーバー追加の要求に応じて仮想ネットワークを自動的に構成する。たとえば、稼働中のアプリケーションサーバーのクラスタに、システム管理者がサーバープールから新たな仮想サーバーを追加すると、事前設定したポリシーに基づいて仮想ネットワークやロードバランサを自動で構成する。実際の仮想ネットワークの構成には、VLANなどを利用する。

 主にクラウドサービスを提供するデータセンター事業者での利用を想定する。現在のプロトタイプではサーバー仮想化ソフトにシトリックス・システムズの「Xen」を利用しているが、製品化時には他の仮想化ソフトとも連携可能にすることも検討している。NECでは、この機能を実現するためのスイッチ製品を年内にも製品として販売する。管理機能は同社の運用管理製品である「WebSAM」の追加機能かオプションとして販売する考えだ。

スマートメーターからの情報の内容に基づき最適なパケット制御を実現

 2つめは、「環境・エネルギー(スマートグリッド)事業を支える情報通信技術」だ。ITを利用して電力の安定供給を実現するスマートグリッド。今回はスマートグリッドにおける中核要素である、通信機能を備えた電力計「スマートメーター」からのデータの流れを管理する「エネルギー・センシング・ネットワーク」について説明した。

 一般家庭や企業への普及が進む太陽光発電などの自然エネルギー発電。CO2(二酸化炭素)排出量の削減などメリットは多いが、本格的に普及すると様々な課題が出てくる。たとえば、自然エネルギー発電では電力供給が日射などの天候に大きく左右されるため、不足した電力はすぐさま従来の電力系統から配電しなければならない。電力管理事業者はどこで電力が不足しているかを即座に把握する必要がある。

 一方、スマートメーターからは電力の不足状況といったクリティカルな情報だけでなく、多種多様な情報が大量に発生する。中には検針情報や外気温情報といった、それほど緊急性の高くない情報も含まれる。スマートメーターがそうしたあらゆるデータをネットワークに送信すると、一般的なルーターを利用したネットワークではルーティングに時間がかかり、クリティカルな情報が事業者に迅速に届かない可能性が否定できない。

 NECが研究開発するエネルギー・センシング・ネットワークは、ルーターにスマートメーターからのデータの流れをポリシーで制御する機構を盛り込んでこうした課題の解決を図る。テキスト解析エンジンでデータのヘッダーや中身を解析。「クリティカルな情報と判断したものは優先的に送信する」といった事前設定したポリシーに基づいて、データの流れを制御する仕組みだ。「スマートメーターのデータ形式の標準化が遅れていたり、具体的なニーズを把握する必要がある」(陶山支配人)ため、実用化の具体的なメドは、現時点では立てていない。

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