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Azureをプライベート環境で─米マイクロソフトのAzureアプライアンスを用いた運用サービスを富士通が提供

2010年7月30日(金)鳥越 武史(IT Leaders編集部)

米マイクロソフトは2010年7月12日、同社のクラウドサービス「Windows Azure platform」を社内運用できるアプライアンス「Windows Azure platform appliance」を発表。富士通は同アプライアンスを利用し、Azureベースのサービス「FJ-Azure(仮称)」を提供する。

アプライアンスの概要─Azureの構成要素を1台に

五十嵐 光喜氏と阿部 孝明氏 写真1:都内で開催した記者発表会で堅く手を握るマイクロソフト日本法人の業務執行役員 エンタープライズパートナー営業統括本部 統括本部長の五十嵐光喜氏(右)と、富士通 常務理事 サービスビジネス本部長の阿部孝明氏

Windows Azure platform applianceは、クラウドOSの「Windows Azure」やクラウドRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)の「SQL Azure」といったソフトウェアやミドルウェアをサーバーに事前導入し、各種設定を施したアプライアンスだ。

「コンプライアンス上の理由でデータを社外に置けないユーザー企業などから、『Azureと同じ環境を社内で運用したい』という多くの声があり、それに応えた」(マイクロソフト日本法人の五十嵐光喜 業務執行役員)。

仮想化ソフトの「Hyper-V」や運用管理ツールの「System Center」などで独自にクラウド環境を構築するよりも敷居が低い点を訴求する。数百台から数千台のサーバーを保有するユーザー企業を主要対象に据える。米eBayは、同アプライアンスを早期導入することをすでに明らかにしている。同アプライアンスを利用したAzureベースのサービス展開を検討するサービスプロバイダーの利用も見込む。

米マイクロソフトは、アプライアンスに使用するハードウェア要件などの仕様を策定。パートナー各社はその仕様に従ってアプライアンスを構築・販売する。2010年7月13日時点で公になっている初期パートナーは世界で3社。米ヒューレット・パッカードと米デルに加え、国内では富士通が加わった。五十嵐氏は「世界で3番目に大きなパートナーであり、当社のユーザーにおいても付き合いが多い」と、富士通が初期パートナーに加わる意図を説明する。

Azureベースサービス─富士通が館林DCで国内提供

富士通は同アプライアンスを利用したAzureベースの独自サービス「FJ-Azure(仮称)」を世界各国で提供すると発表した。まずは自社の館林データセンターにアプライアンスを導入。国内向けのサービスを2010年末に提供開始する。料金体系は、現時点では未定。

通常のAzureサービスに加え、富士通エンジニアによるサポートやアプリケーションの監視サービスといった独自のサービスを併せて提供する。同社製のPCサーバー「PRIMERGY」を基盤としたアプライアンスを同社のデータセンターに設置して運用する。

富士通はFJ-Azureを「既存のWindows資産のクラウド移行を検討している企業向けのサービスとして位置づける」(富士通 常務理事 サービスビジネス本部長の阿部 孝明氏)。アプライアンス単体での販売も検討している。

MS・富士通の協業内容─技術者教育や共同販促

米マイクロソフトと富士通は、アプライアンスの開発やサービスサポートで協業する。富士通はAzure関連技術者を5000人強育成。米マイクロソフトは富士通技術者への技術支援を実施する。マーケティング面でも協業し、早期の市場開拓を図る。 (鳥越)

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