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日本IBMがzEnterpriseを発表、UNIXやx86などのオープンシステムを統合可能に

2010年7月30日(金)

日本IBMは2010年7月23日、最新のエンタープライズシステム「IBM zEnterprise」を発表した。メインフレームとUNIXサーバー、x86サーバーの異機種混在環境を一元管理し、業務内容に応じて適切なハードウェア資源を割り当てられるようにする。ビジネスの変化とともに拡張を繰り返してきた複数システムを1台に集約することで、運用管理コストの削減とシステム複雑化を抑止する。

IBM zEnterpriseは、メインフレームとUNIX、x86などの異なるアーキテクチャのリソースを仮想化技術により一元的に管理する。ユーザーからの処理要求に対し、事前に設定したポリシーに基づいてリソースを自動で配分することが可能だ。「現状はアプリケーションごとに適したシステムを構築しており、システムの増加や複雑化、運用コスト増大を招く原因になっている。zEnterpriseはこうした課題を解決し、あらゆるワークロードを1台で最適化できる」(専務執行役員 システム製品事業担当 藪下真平氏)という。

同社が想定する利用ユーザーは、「IBMのメインフレームをすでに導入し、かつ複数のサーバーが散在している顧客、大規模なデータセンターを運用している事業者などに向く。また、システムのリソースに自由度を持たせたいというニーズは強い。クラウドの基盤として活用してもらうことも想定する」(システムz事業部長 朝海孝氏)という。

zEnterpriseの概要

zEnterpriseは、メインフレーム「IBM zEnterprise 196(z196)」と、UNIXサーバーやx86サーバーを収納する「IBM zEnterprise BladeCenter Extention(zBX)」、これらのハードウェア資源を管理するソフト「IBM zEnterprise Unified Resource Manager(URM)」で構成する。

z196とzBX間のデータ転送は10ギガビット/秒の速度で行われ、これとは別に転送速度が1ギガビット/秒となる管理用ネットワークを備える。

1台のz196に対しzBXを最大4台まで接続でき、この構成を1セットとし最大8セットまで拡張できる。最大構成時には10万以上の仮想サーバーを1つのシステムとして管理できるという。

z196の概要

z196は同社が2008年2月に発表した「System z10 Enterprise Class」の後継機である。プロセサの動作周波数を4.4GHzから5.2GHzへ引き上げるなどし、「1秒間に最大500億個の命令を処理できる。従来のプロセサと同じ消費電力での処理性能は60%向上している」(システムズ&テクノロジー エバンジェリスト 北沢強氏)という。

プロセサは最大4つのコアを搭載。このプロセサを6個で1ユニットとし、z196は最大4ユニット、プロセサを24個搭載する。従来機はコア数は同じ4つだったが、1ユニットに搭載できるプロセサ数は5個だった。

1台のz196に搭載できる最大コア数は96個となるが、実際にユーザーが利用できるのは80個までとなる。これは、残りの16コアをI/O処理や故障時のスペア用として確保しているためである。従来機の最大コア数は77個で、実利用可能なコア数は最大60個だった。

L3/L4キャッシュを新たに搭載し、処理能力も強化している。従来のプロセサはL1キャッシュ(64KBの命令キャッシュと128KBのデータキャッシュ)、L1.5キャッシュ(3MB)、L2キャッシュ(48MB)のみだったが、新プロセサはL1.5キャッシュを廃止する代わりにL3キャッシュ(24MB)とL4キャッシュ(192MB)を追加した。「大容量のキャッシュを備えることで、メモリーにアクセスせず高速に処理することも十分可能である」(同氏)。

そのほか、プロセサ上にデータを暗号化/圧縮する専用チップを新たに搭載。プロセサの使用率を低減するとともに、データの機密性も高めている。

メモリーのアーキテクチャを刷新し、メモリーの信頼性向上も図る。「メモリーの接続形態をストレージで用いる『RAID5』の構成にし、パリティチェックできるようにした」(同氏)。メモリーの搭載容量も1.5TBから3TBに増強している。

zBXの概要

zBXは、42Uサイズの「IBM Enterpriseラック」、ラックに2台まで格納できる「BladeCenterシャーシ」、1台のシャーシに14台まで格納できるサーバー「汎用ブレード」で構成する。汎用ブレードは1ラックあたり28台搭載でき、zBXを4台接続する場合は最大112台のブレードサーバーを搭載できる。

汎用ブレードには「POWER7」プロセサ搭載のブレードサーバー「IBM BladeCenter PS701 Express」が用いられる。x86サーバーも利用できるが、現段階では開発することを表明するに留まる。Windowsの利用についても「検討中」(同氏)である。

また汎用ブレードとして、同社のデータベース「DB2」の処理を高速化するアクセラレータ「IBM Smart Analytics Optimizer(ISAO)」も用意する。これはSQLの種類を自動で識別し、z196だけでは時間がかかる処理をISAOのメモリーを使って高速に処理する。「ユーザーはSQLの内容を意識することなく、システム側が自動で最適な処理方法を導き出す。複雑で動的なSQLや、全件検索などの大容量のデータ処理に向く」(同氏)という。

URMの概要

URMはz196および汎用ブレードを統合監視する。異なるアーキテクチャ上で構築した仮想サーバーの作成や削除、構成変更を一元管理するほか、ハイパーバイザーのモニタリングや、事前に設定したポリシーに基づく運用監視などを行う。

ラインアップと価格

z196は搭載するコア数やメモリー容量の違いから5つのモデルを用意する。M15、M32、M49、M66、M80とあり、最上位モデルのM80はユーザーが利用できるコア数が80個となる。

最小構成は1億円から。出荷開始はz196が9月10日、zBXとISAOが11月19日から。

zEnterpriseの外観
写真 zEnterpriseの外観
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